アルバイト・アイは高くつく
相続税は命で払え
海から来た行商人
セーラー服と設計図
私としては 楽しめた短編集。
短編集なので、スピード感も有り、それでいて、不足感を感じさせない。
このシリーズを通しての"チャラけた、軽い感じのハードボイルドは、共感を感じた”
力一杯、ハードボイルドやってます。
やせがまんしてます。って感じじゃないのが、いいと思います。
そこが新鮮でした。
アルバイト探偵(アイ) 講談社文庫/ 解説 関口苑生
アルバイト探偵シリーズの第1弾の短編集。
六本木に探偵事務所を構える冴木涼介と、高校生の息子・隆の二人が活躍するコメディーアクション。
隆も知らない怪しい過去を持つ父・涼介、不良になり切れない息子・隆。
そして、二人の住む探偵事務所のあるマンションの一階の喫茶店オーナーの圭子ママや、バーテンの星野等、登場人物は一癖も二癖もある人ばかり。
このシリーズは登場人物の個性の強さも、魅力のひとつだと思います
物語は、隆の家庭教師の麻里の友人が誘拐され、愛人の宗田に5千万の身代金を要求される。
誘拐した犯人を突き止める事を依頼する麻里と宗田だが、5千万を払えないなら宗田の勤める半導体会社の電子部品100ケースを要求される。
単なる誘拐事件が、実は大きな企みのひとつである事が次第に親子は気が付き始める(『アルバイト・アイは高くつく』)。文
章もおちゃらけた表現が多く、重さを感じがないのが良かった。
ハードボイルドが苦手な人でも苦無く読めると思います。
ただ、執筆された時期が80年代なので、今とは若干の違和感があります。
これは仕方が無い事なので、懐かしい死語を楽しもうと思えばばいいでしょう。