2010年12月23日木曜日

『最後の忠臣蔵』 ワーナーブラザーズ 堺浜にて

『最後の忠臣蔵』は、史実の忠臣蔵とはかなり違う。
今までの忠臣蔵の映画、ドラマ、劇なども、もちろん史実の忠臣蔵とはかなり違うのだが、
それとも違い討ち入り後の16年後を描いた、ユニークなフィクション作品である。

吉良邸討ち入りから16年、四十七士の中で唯一切腹せずに生き続け、遺族を探し当て回り、
大石内蔵助からの援助資金を渡すというひそかな使命を遂行していた寺坂吉右衛門(佐藤浩市)は、
あるとき親友で討ち入り前日に逃亡した瀬尾孫左衛門(役所広司)を偶然発見する。

卑怯者のそしりを受けつつ、彼もまた主君、大石内蔵助の隠し子、可音(桜庭ななみ)を守り続けるという密命を
16年間にわたり果たしてきたのだった。
そして孫左衛門はいま、年ごろになった可音のため、彼女が幸せに暮らすための良縁を探していた。

死んだ主君の娘を立派に育て上げ、嫁がせる。
それが主人公の目指す、武士道である。
そのためだけに彼は、自分の人生をすべて犠牲にして生活の糧を稼ぎ、この娘に教養を与えてきた。

映画はこの二人の疑似父子関係に焦点を当てた感動ドラマなっている。
しかしありがちな親子愛の話ではなく、真の泣き所はきちんとファンを満足させる形になっているから心配はない。
忠臣蔵を見る日本人の心に、ちゃんと訴えかけるものです。

このコンセプトは、重厚なセットや美しい照明、劇伴音楽、役者の好演によりほぼ成功している。
ただ、娘と主人公の関係があまりに濃厚すぎて、その行く末がどうにも……という感じも否めない。
大石さん、ちゃんと結婚後の瀬尾さんの事も考えといてやってくれよと言いたくなる。
結局、ゆうの気持にもこたえられずに、切腹してしまうのだけど。

だいたい強がってはいるが、いかにもか弱そうなお嬢さん育ちのあの娘の今後が、心配になってしまう。

主君死すとも忠義を果たす。
そんな忠臣蔵のテーマを、ちゃんとこの作品は踏襲している。

この作品は ワーナーブラザーズが、企画から制作までやってしまった日本映画。


剣客商売で、 秋山小兵衛/藤田まことの住む家として使えわれた、家が
このほど、取り壊されること決定されたらしい。
『最後の忠臣蔵』でも、瀬尾孫左衛門(役所広司)の家として、使用されている。

藤田まことの死亡などで、使用頻度が 下がったのと 維持、修繕費が予算が削られていく中で、出せないからだそうです。

堺市の中心で?を叫ぶ