『陰陽師』(おんみょうじ)は夢枕獏による小説。
文藝春秋刊。
平安時代の陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた伝奇小説である。
晴明のパートナーとして同時代の貴族で楽人の源博雅が登場する。
1988年に第1作『陰陽師』が刊行されて以降シリーズ作品となっている。
三人称で、かかれ、直接話法になっているので、シナリオに近い。
容易に、情景をうかべることが出来るし、テンポがいいので読みやすい。
赤川次郎の作品と同じような構成で、ページあたりの字数が少なく、白地が多い。
安倍晴明と源博雅の関係は、ホームズとワトスンの関係の変形と見てもいい。
一話完結なので、どの章から読み始めてもいいが、説明、その他情報などを考えると最初の本から、読むことを薦める。
晴明の屋敷の庭のよく見える部屋で、安倍晴明と源博雅が酒を、飲みながら話すところから、始まる話が多い。
晴明の酒を飲むときの独特のポーズや
胡坐をかいて、右ひじを右ひざの上に置き、右腕を立て、その手の中にあごを乗せるというポーズ
などと、晴明のポーズが描かれていて、それが絵になるのです。
貴公子然として、惚れ惚れするように書かれているが、一方で見える姿と年齢が違うと暗示されていて謎なのだ。
作品リスト
陰陽師 文藝春秋 1988年8月
文庫版 1991年2月
陰陽師 飛天ノ巻 文藝春秋 1995年6月
文庫版 1998年11月
陰陽師 付喪神ノ巻 文藝春秋 1997年11月
文庫版 2000年11月
陰陽師 生成り姫 文藝春秋 2000年4月
文庫版 2003年7月
陰陽師 鳳凰ノ巻 文藝春秋 2000年6月
文庫版 2002年10月
陰陽師 龍笛ノ巻 文藝春秋 2002年1月
文庫版 2005年3月
陰陽師 太極ノ巻 文藝春秋 2003年4月
文庫版 2006年3月
陰陽師 瀧夜叉姫(上) 文藝春秋 2005年9月
文庫版 2008年9月
陰陽師 瀧夜叉姫(下) 文藝春秋 2005年9月
文庫版 2008年9月
陰陽師 夜光杯ノ巻 文藝春秋 2007年6月
文庫版 2009年12月
陰陽師 天鼓ノ巻 文藝春秋 2010年1月
漫画
岡野玲子による作画で1993年から2005年にかけて『コミックバーガー』、『月刊メロディ』で連載された。
テレビドラマ
稲垣吾郎による主演(晴明役)で2001年4月から6月にかけてNHK『ドラマDモード』枠にて放送された。全10回。
映画
滝田洋二郎監督、野村萬斎の主演(晴明役)の映画。
2001年に第1作目『陰陽師』、2003年に続編『陰陽師II』が公開された。
本に出てくるイメージが、野村萬斎のイメージに近くて違和感がない。
舞台
KOtoDAMA企画により2000年に『陰陽師』、2002年に『陰陽師 言霊ノ巻』が上演された。
児玉信夫主演(晴明役)。
OSK日本歌劇団により2001年に『闇の貴公子』、2003年に『新・闇の貴公子』が上演された。
2001年は洋あおい(博雅役)・那月峻(晴明役)主演。2003年は那月峻(晴明役)主演。
堺市の中心で?を叫ぶ