2010年12月7日火曜日

陰陽師 瀧夜叉姫 下 夢枕獏

『俵藤太』

俵藤太の屋敷で、晴明と博雅が話している。
20年前の興世王の首が、他人のものではないか?と疑問を提起。

俵藤太も、様々な怪異のことが起きているが20年前の平将門のことと関係あるのではないかと思っている。



『浄蔵』

浄蔵の出自が書かれている。
道真調伏の呪法を行ったり、死人を一時生き返らせたりしている。

晴明と博雅は、雲居寺に、浄蔵をたずねていく。
浄蔵は、将門の首を盗み、二月かかって焼き灰にした。
ここで、集まらなかった、首がどうなったかが、わかる。
その灰が一部盗まれたので、一部を小野に預け他を加茂川に流して捨てた。
詳しくは、道満に聞かれるのを恐れて語らなかった。
将門が黄金丸で、切られて今年で20年、蘇りをたくらむ人間がいる事を、晴明が示唆する。

『瀧夜叉』

男が真言の呪法を行う、そこには将門の体がある。
そのそばに、女がいる、名は瀧夜叉姫と呼ばれている。

浄蔵が、灰を預けた男は、小野好古の弟の小野道風であったことが語る。
『鬼笛』で、出てくる女を食われて、生き残った男が、小野道風であった。
首は、焼かれて灰になったが、一部は誰かの手に渡ったが、後一部は、後のために小野道風が知らずに持っていることが判明。
また、右腕は他の誰かに盗んでいたことがわかる。

平貞盛の館に、晴明と博雅は、俵藤太と一緒に行く。
そこで、息子維時は 、貞盛が児肝をしていたことを告白する。
児肝とは、生きている男子の胎児の肝を食うことで、瘡を直そうとすること。
如月をつれた詳仙が、塗り薬も、何度か塗って治したが、効き目が無くなり、貞盛に児肝をおしえた。

『ものの怪祭』の孕み女が9人も、殺されている話がこれが真実となる。

そして、貞盛の顔の瘡をほじると将門の顔が現れる。
ここに、将門の首が復活した。

『隠体の者』

小野道風は、加茂保憲に、強弁で迫られ、浄蔵から預かった錦の袋を渡す。
ここに、首の灰を一部が、入っていた。

道風の館に、瀧夜叉があらわれる、櫛の話が出てくるが、あとの俵藤太が、渡した櫛とのつながりが、符合しない。
藤太と将門の戦い、保憲と瀧夜叉の戦いが、描かれる。

保憲と瀧夜叉の戦いに、道満が、五首の大蛇を伴ってあらわれる。
道満は、瀧夜叉を逃がす。

藤太と将門の戦いは、藤太が将門の首を落とすが、その首を興世王に、もっていかれる。
詳仙は、興世王だった。如月も仲間だった。

『裏の帝』

詳仙が、貞盛に塗っていた塗り薬は、将門の首の灰であることが判明。
興世王(詳仙)は、将門を蘇らせることを、画策していた。

将門は、右腕以外は、復活を遂げる。

加茂保憲、俵藤太、浄蔵、小野好古、晴明と博雅が、集まっている。

道満が、五首の大蛇をつれていたこと、『五頭龍』の話ががここで出る。
如月が瀧夜叉ではないかの指摘。

藤原純友について、書かれる。
純友の首が、偽者ではないか?
興世王の首も、偽者ではないか?

将門と桔梗の娘、滝子の話が出る。

将門が、いかに、鬼に、不死身になったかが、おどろおどろしく書かれている。

コドク 虫を争わせて、共食いをさせて、残ったものには 特殊な力がある。
将門がそうだという。
晴明は博雅に、あの男(帝)もそうだ。将門と何一つ変わらなくて、同じなのだという。

将門の灰の利用方法に、将門の場所を知らせるもある。
他にも、利用方法が、あるようです。

如月が、滝子であり、滝夜叉であるという。

『屍返し』

晴明と博雅は、平貞盛の館に行き、維時に、貞盛の死体を預かり、将門のいる場所を探ろうとしている

保憲と浄蔵は、将門の首を焼いた灰で、将門のいる場所を探ろうとしている。

晴明と博雅、貞盛、藤太が、将門のいる場所に向かう。

興世王が コドクの法を用いたこと、如月を亡き者に使用としたとき、道満が現れる。

道満は、19年前、百鬼夜行を見た際、将門の右手をひらって、5首の龍という式にしている。

『鬼哭』

道満と興世王、5首の龍と大蜘蛛の戦い。
5首の龍は、如月を今度も助けようとする。

そこへ、浄蔵を遅い損ねた将門が、帰ってくる。
5首の龍が、将門に向かっていく。
5首の龍は、将門の右手なので、合体して、完全体の将門になる。

逃げてきた如月を、追ってきた大蜘蛛と藤太の戦いに、藤太は勝利する。

将門と道満の戦いに、道満は戦いを避け、将門と藤太になる。
不死身の将門に、黄金丸も歯が立たないが、将門の灰がここで役に立つ。

興世王と維時、晴明、博雅の戦い。
興世王が、藤原純友であることがわかる。

『結の巻』

それぞれが、決着を迎える。

道満が、将門の右手を持ち帰る

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