上下二巻分冊の長編
長編ゆえの構成からか、話が各章ごとに切れていて、問題提起されるが、わずかな手がかり以外に、何の方向性も示唆されない、話が続いていく。
20年前の物語が、あって、歳月を経ていろんな奇怪なことがおきる。
『序』
阿部晴明の幼少時代に、師の加茂忠行と百鬼夜行にあった話。
蘆屋道満も、同じ百鬼夜行に遭遇する。
後に、この百鬼夜行が、何を運んでいたのかの解決が示される。
『ものの怪祭』
藤原治信の腹が大きく膨れ上がり、困っているところに、蘆屋道満があらわれる。
その中のものを取り出す。
それは、巨大な蛇のごときものと書かれているが、後にこれが、本当は何かの解決が示される。
小野好古の屋敷に盗らずの盗人があらわれる。
雲居寺から 預かった物を探している。
大きな蜘蛛と女があらわれる。
後に、誰が何を探しているのかの解決が示される
兄弟子の加茂保憲が、晴明の屋敷に、式にのってあらわれる
孕み女が9人も、殺されている話が、出てくる。
腹をさかれ、男の子の腹にも、傷がある。
後にこれが、誰が何のために何をしているのかの解決が示される
『鬼笛』
男と女が密かに、逢引をしているところに、百鬼夜行と男と童女が現れる。
鬼にたくさんの人の身体に部分を集めてこさせて、童女が選んでいる。
右腕と首以外の部分は、集まった。
浄蔵の式が紛れ込んでいたことが、発覚する。
女は、鬼に食われてしまう。
後にこの男が、誰かが示される、
この人の部品が誰のものか、集まらなかった 右腕と首の所在が後に 示される
平貞盛の家で、晴明は瘡のことを問われるが・・・・・・・・・・。
蘆屋道満があらわれ、晴明の放った式が、発見されてしまう。
『ムカデ退治』
俵藤太『藤原秀郷』の持つ『黄金丸』という剣の話。
勢多の大橋で、誰もが恐れていた大蛇をまたいで越える。
その大蛇から、ムカデ退治を頼まれる。
刃こぼれした『黄金丸』を研ぎなおしてもらうが、切られたら傷が20年は治らないという力を持つようになる。
切られたら傷が20年は治らないという力を持つ『黄金丸』は、この話の中で重要なポイントになっている。
晴明は、”小野好古、平貞盛、俵藤太、黄金丸”から、何か気づいたようだが、明らかにしない。
『瘡鬼』
蘆屋道満が”都がひっくり返るようなことがある”と示唆し、加茂保憲も気づいているという。
平貞盛の瘡が、”19年前から出来るようになった”こと、”詳仙”という医師に、見てもらっていること。
『牛車問答』
平貞盛の瘡について、晴明と博雅が話している。
晴明が瘡は、道満の言うとおり、一筋縄ではいかぬものだという
晴明が藤原師輔、源経基の様子を博雅にたずねる
牛車で問答したのが平貞盛の息子の維時だと急に、書かれる。
牛車問答とは、晴明と博雅が話なのか? 晴明と維時の話なのか?
晴明と維時の話のようなのだが、この部分以外に、書かれている部分がないので、唐突に感じる。
維時が晴明と博雅を女をつかって呼びに来る。
”如月”という女が、出てくる。 重要人物の登場だが、こそっと紛れ込ました感じで、ここで登場する必然性は感じなかった。
道満の平貞盛の瘡の治療がかかれるが、道満は途中で投げ出し、晴明に治療を頼めと言い残す。
『五頭龍』
加茂保憲が、晴明の家に現れて、五頭龍に食われそうになった藤原師輔の話が出る。
今までの怪しい話が、ここで20年前の平将門の話につながっていることを示す。
藤原純友の名が、出る。
『鬼新皇』
平将門の乱の話
”興世王”という不思議な人物が出てくる。
鬼新皇とは、平将門のこと。
俵藤太、浄蔵、平貞盛が、平将門に対決していくくだりがある。
『道満暗躍』
晴明が博雅に平貞盛の児肝の疑いを示す。
児肝とは?には、晴明は、答えていない。
晴明と博雅は、源経基の館に行く。
源経基は、夜毎、女に釘を身体に打たれる。
晴明がその呪をとく。
悪夢を食う獏がここで少し書かれるがこれは、前後に話がつながらないため、筆者の遊び心かな?
晴明が経基に、将門と興世王の話を聞く
闇に5人の男が現れ、晴明に経基にかけた呪をとかれたことを話す。
そこへ 道満があらわれ、5人のうちの一人が詳仙であると書かれる。
道満は、あくまで、外観者の立場をとるようだ。
『興世王』
俵藤太と将門の再会
興世王と桔梗の登場。
将門は異形のものに、なってしまっている。
俵藤太は、将門の館で寝込みを襲われるが、桔梗に助けられる。
後の話で、将門と藤太は戦うのだが、そのときの戦い方のフェアな姿勢から、大勢での寝込みを襲う姿勢は、違和感を感じる。
藤太と貞盛が、将門征伐に、出る。
藤原忠文、源経基、藤原忠のぶが、参戦する。
不死身の将門と戦う藤太が、浄蔵の矢で射て勝利を得る。
貞盛は、将門に右額を切られる。後に瘡になる部分かな?
不死身の将門は、黄金丸でばらばらにされても、生きているので、関八州の離れた土地に埋められた。
首は、都に持ってこられたが、首が消失する。
最後の2章まで、解決の付かない話が続き、時制も現在、20年前の話とばらばらなので、
どういう話かと思ったが、黄金丸の20年の効力と将門につながってきて、やっとそういう話なのねって感じです。
堺市の中心で?を叫ぶ