2010年12月25日土曜日

堺市北区長曽根町に 電気自動車(EV)用急速充電設備を設置

コスモ石油は3月23日、セルフサービスガソリンスタンド「長曽根サービスステーション」(大阪府堺市北区)に電気自動車(EV)用急速充電設備を設置したと発表した。

●急速充電設備は、EVの普及促進を目的に大阪府が実施している「大阪EVアクションプログラム」の「おおさか充電インフラネットワーク」の一環として設置したもの。

●ときわはまでら線沿いの長曽根サービスステーションに設置されたのは、出力容量50キロワット、電圧DC50~500ボルトの急速充電設備で、充電サービス料は当面無料。利用可能時間は24時間。

充電サービスを利用するには利用者認証用ICカードが必要だが、同ステーションは利用者認証用ICカードを常備しているので、利用者登録をしていないEV利用者も充電サービスが受けられる。


当分は 無料ですから すごくお得感はあります。




私は 堺市北区の住民ですが、長曽根サービスステーションは私が給油しているところなのです。

コスモ石油は堺の臨海地区に堺製油所をもっているので、まずは事業所のある地元から、導入していこうということのようです。

「大阪EVアクションプログラム」と計画があるのですね。


こういうものが、適度の間隔で、作られると電気自動車が 普及していくのだと思います。

例えば、コンビニなどに設置されると 間隔や営業時間の関係から言うと便利だと思います。

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2010年12月24日金曜日

世界で 一番有名な横断歩道 英国の文化的・歴史的遺産の指定

横断歩道の文化遺産指定される

アビー・ロード・スタジオ前の横断歩道は、世界中から多くのビートルズファンが訪れる場所となっている。
その文化的背景から景観の保存が検討され、アルバムジャケット撮影から41年後の2010年12月、イギリス政府により、この横断歩道は英国の文化的・歴史的遺産の指定を受けた。
建物以外が指定されるのは初の事例である。




 このアルバムジャケットは 世界中で最もジャケットがパロディー化される、いわゆるパロジャケが多いジャケット写真としても知られる

アビー・ロード・スタジオ前のこの横断歩道は、人気の観光スポットとなっている。
道路は現在も通常に使用されているにも関わらず、ジャケット写真のポーズを取る観光客が後を絶たず、昔から観光客の死亡事故や接触事故などが起こっている。


「ヒマラヤにまでジャケット写真を撮りにいくのはごめんだ。ちょっと外に出てそこで写真を撮り、タイトルを(通りの名前)アビイ・ロードにすれば良いじゃないか」とポールが発案したそうだ。
この一言が、この世界で 一番有名な横断歩道の誕生につながる。


『アビイ・ロード』のジャケット写真は、いわゆる「ポール死亡説」の根拠の一つともなった。
写真でのポールは1人だけ裸足であり、左利きにもかかわらず右手にタバコを持っている。
路上に駐められたフォルクスワーゲン・タイプ1のナンバープレートが「281F」であるのが、もしポールが生きていれば28歳である(「28」「IF」)ことを意味している。
白いスーツで長髪にひげを蓄えたジョンは「神父」、黒いスーツを着たリンゴは「葬儀屋」、スーツ姿で裸足のポールは「死体」、デニムシャツにジーンズ姿のジョージは「墓堀人」を意味しているという理由からだった。

この「281F」のフォルクスワーゲンは、1980年代に行われたサザビーズのオークションで5000ポンドの値段が付き、当時のロックンロールのコレクションの相場異例の高価格であった。

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2010年12月23日木曜日

御堂筋イルミネーション

 12/22  「OSAKA光のルネサンス 2010」に続き、御堂筋イルミネーション に、参加しました。
食事でもと思い御堂筋を南下したのですが、どの店も。祭日前で忘年会シーズンと言うこともあり、
満席状態で、大丸まで、歩きました。
 淀屋橋から 天満橋まで往復、淀屋橋から御堂筋線南下で、心斎橋までという距離を、ぶらぶら歩いたのでした。
 御堂筋沿いの企業も、各々飾りつけもしていたり、寄付などもしているようで、市民主導の祭りになっているのでしょうか?

がんばれ!!大阪

大阪のシンボルである御堂筋のイチョウをイルミネーションで装飾することにより、
大阪を愛する皆さまに元気や希望を感じていただくとともに、
他都市を圧倒するような、美しい「光のまち」として、人々をひきつける賑わいをつくり、
大阪全体の活性化を図るため、御堂筋イルミネーションを実施します。

今年度は、昨年度より200m延長した約1.4kmの区間で、新たに登場する「星屑エリア」「シンボルツリー」などで、御堂筋がより華やかな光であふれます。
楽しみながら歩けるように楽しい「写真撮影スポット」「沿道ビルライトアップ」も随所に設置します。

【御堂筋イルミネーション概要】 ・実 施 期 間  平成22年12月11日(土曜)~平成23年1月16日(日曜)
・実 施 区 間  淀屋橋交差点~北久宝寺町3丁目交差点 約1.4km 
・点 灯 時 間  
17時頃~23時 (初日(12/11)点灯は18時20分頃)


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「OSAKA光のルネサンス 2010」

水都を包む光と水のハーモニー 「OSAKA光のルネサンス 2010」

水都大阪を象徴する中之島一帯で毎年開催している「OSAKA光のルネサンス」。

おかげさまで今年8年目を迎えました。昨年は過去最高の304万人もの方々にご来場いただき、多くの皆様に楽しんでいただくことができました。

今年の会場は、大阪市庁舎から大阪市中央公会堂周辺のエリアを「中央会場(光のフェスティバルゾーン)」、中之島公園(バラ園・剣先)エリアを「東会場(ローズライトガーデン&イーストライトパーク)」、
そして、大阪市立科学館北側公共広場を「西会場(ウエストライトパーク)」と、中之島全体を会場として開催します。

そのほか、中之島周辺の施設や企業・団体様のご協力によるライトアップも必見です。

12月11日(土)~12月25日(土) 17:00~22:00

 というわけで 12/22行ってまいりました。
今年で、3年目ですが、年々趣向を凝らして、よりよくなっているようです。
「東会場(ローズライトガーデン&イーストライトパーク)」しか行ったことがないので 、
次回は、「西会場(ウエストライトパーク)」もいいって見たいと思います。

 淀屋橋-天満間を往復したのでした。

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『最後の忠臣蔵』 ワーナーブラザーズ 堺浜にて

『最後の忠臣蔵』は、史実の忠臣蔵とはかなり違う。
今までの忠臣蔵の映画、ドラマ、劇なども、もちろん史実の忠臣蔵とはかなり違うのだが、
それとも違い討ち入り後の16年後を描いた、ユニークなフィクション作品である。

吉良邸討ち入りから16年、四十七士の中で唯一切腹せずに生き続け、遺族を探し当て回り、
大石内蔵助からの援助資金を渡すというひそかな使命を遂行していた寺坂吉右衛門(佐藤浩市)は、
あるとき親友で討ち入り前日に逃亡した瀬尾孫左衛門(役所広司)を偶然発見する。

卑怯者のそしりを受けつつ、彼もまた主君、大石内蔵助の隠し子、可音(桜庭ななみ)を守り続けるという密命を
16年間にわたり果たしてきたのだった。
そして孫左衛門はいま、年ごろになった可音のため、彼女が幸せに暮らすための良縁を探していた。

死んだ主君の娘を立派に育て上げ、嫁がせる。
それが主人公の目指す、武士道である。
そのためだけに彼は、自分の人生をすべて犠牲にして生活の糧を稼ぎ、この娘に教養を与えてきた。

映画はこの二人の疑似父子関係に焦点を当てた感動ドラマなっている。
しかしありがちな親子愛の話ではなく、真の泣き所はきちんとファンを満足させる形になっているから心配はない。
忠臣蔵を見る日本人の心に、ちゃんと訴えかけるものです。

このコンセプトは、重厚なセットや美しい照明、劇伴音楽、役者の好演によりほぼ成功している。
ただ、娘と主人公の関係があまりに濃厚すぎて、その行く末がどうにも……という感じも否めない。
大石さん、ちゃんと結婚後の瀬尾さんの事も考えといてやってくれよと言いたくなる。
結局、ゆうの気持にもこたえられずに、切腹してしまうのだけど。

だいたい強がってはいるが、いかにもか弱そうなお嬢さん育ちのあの娘の今後が、心配になってしまう。

主君死すとも忠義を果たす。
そんな忠臣蔵のテーマを、ちゃんとこの作品は踏襲している。

この作品は ワーナーブラザーズが、企画から制作までやってしまった日本映画。


剣客商売で、 秋山小兵衛/藤田まことの住む家として使えわれた、家が
このほど、取り壊されること決定されたらしい。
『最後の忠臣蔵』でも、瀬尾孫左衛門(役所広司)の家として、使用されている。

藤田まことの死亡などで、使用頻度が 下がったのと 維持、修繕費が予算が削られていく中で、出せないからだそうです。

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ホームズ さかいはま  年内完全閉店

ホームズ さかいはま  年内完全閉店で 10/22に行ってまいりました。
家具売り場のほうは、なにやら まだ商品もありましたが、一般売り場は、体育館のように何もない状態でした。

何か必要なものがあれば、もう投売り状態です。
僕は 隙間テープドア用 50メートルぐらい 2000円担っていたので 安いなと思い、買うと
レジにて半額、1000円でした。

もうひとつ、接着剤も買いましたが こちらも半額でした。

ホームズ さかいはま内の空港ドッグセンターも、完全閉店へ向けて、犬、ネコのペット用品、
 犬、ネコの価格が、破格の安さでしたが、生き物が安いのは 買いにくいのではないかと思います

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2010年12月21日火曜日

鯛よし百番

今年の忘年会、どこにする??
少し変わったところがいいよね
なんていうことで 飛田新地内にある鯛よし百番に行ってきました。

変わり種としては有名ですよね。

怪しげな雰囲気の中、個室でゆったりと飲みながら楽しむのが良いですね。
一度は行ってみてもおもしろいですよ

帰り?
もちろんまっすぐ帰りましたよ

はじめて見たのですけど、一間半ぐらいの間口で3帖ぐらいの玄関(部屋)みたいなのが、
道路に向かって、フルオープンで開いていて、玄関かまち正面に、お姉さんが座っているんです。

端っこに、やり手婆が座っていて、道行く男性に、、「いい娘いるわよ」と呼び込みをしている。
料亭の看板が出ているのですが、とても料理を出す店では、ありません

今でも、こんなことが許されるのだろうか?

鯛よし百番

所在地: 大阪市西成区山王3-5-25 
設計者: 不明

用途: 料亭(元妓楼) 
構造・規模: 木造2階建、建築面積291㎡ 
竣工: 1918年頃(戦後内部改装) 
居酒屋チェーン百番の発祥の地であり、2000年に登録有形文化財になってる。

アクセス 地下鉄動物園前駅から徒歩10分 
TEL 06-6632-0050

営業時間 17:00~23:00 
定休日 月曜日 (12月は営業) 

難波新地乙部遊郭が1910年に全焼したのを受けて、1916年に飛田遊郭が生まれました。
難波新地乙部(おつぶ)遊郭が全焼した後「赤線、娼妓を廃止せよ!」という運動により、
大阪府は難波新地の営業免許を廃止したのだが……
なぜか当時の市区外だった天王寺村(東成郡)に2万余坪の免許地(現西成区)を配置。

1912年に完成した旧通天閣を中心とした新世界は、第1次大戦後の好景気で大いににぎわいます。
新世界からほど近い飛田遊郭も昭和初期には200軒を越える妓楼が軒を連ねます。

「周囲はコンクリートの高塀で囲われており、通常は一カ所の大門のみが開くという、
文字どおりの廓(くるわ)の再現であった」

戦災でほとんどの店は消失しましたが、再び赤線としてよみがえり、
1958年の売春防止法以後は料亭に転じたことで、現在もなお、伝統的雰囲気を色濃く残す街並みと
その営みが保たれています。

鯛よし百番は大正初期に遊郭として生まれ、戦後は内部が大改装されて、持ち主も替わり、
現在では(本物の)料亭として営業しています。

大正初期に建てられた妓楼を料亭として使っています。
当時はきわめて格式の高い店であったといわれます。
1階に格子窓、2階に高欄、入り口は道路角に置き、唐破風を配しています。
2000年2月に登録文化財になっています。
なお、この店は料亭なので、内外を撮影しても大丈夫です。

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2010年12月20日月曜日

焼肉 じゅうじゅうカルビ 中百舌鳥店

 焼肉 じゅうじゅうカルビ 中百舌鳥店
大阪府堺市北区長曽根町3047-1 ときはま線・地下鉄御堂筋線新金岡駅徒歩6分 
 
営業時間・定休日
11:30~24:00 【12/31のみ21:00まで20:00ラストオーダー】 【1/1のみ16:00オープン】 定休日:年中無休 
 
 
 
 
12/19 pm 7:00に、いきました。
8組待ちという状態でしたが、30分ぐらい待って 席に付くことが出来ました。
6人で、行ったのですが、6人席で コンロがひとつでした。
大感激コース100品目以上食べ放題3129円 
国産牛含むフルコース115品目以上食べ放題3654円 
リーズナブルに楽しめる45品目以上食べ放題2604円 
 大感激コース100品目以上食べ放題&飲み放題3675円
のコースの中で 、大感激コース100品目以上食べ放題&飲み放題3675円を選びました。
 
タッチパネルで席から注文するとスタッフが席まで運んでくれるオーダーバイキングなのですが、注文するとすぐテーブルに運ばれてきます。
これは、はやい、感動する早さです。
オーダ時間70分 食事時間110分ですから、注文されたものを 早く提供する必要は、あります。
 
ただ、6人席で コンロひとつは、焼くのに 網にぎしぎしにつめて、焼かねば、間に合わず、せわしない状態でした。
ばたばた食べた感じで、70分、ラストオーダーの時間が来ました。
 
 ラストオーダー出来たものをゆっくり食べて、デザートも食べ、食後のコーヒーを飲んで帰りました。
 
すばやく提供するため、あらかじめ工場でカットされたものを、冷凍保存して、解凍して提供しているらしく、肉は冷凍の痕跡があります。
ユッケは よく出たのか、解けるまで少し時間をくださいと言われましたが、意外に早く手お経してくれました。
 
味については、金額との兼ね合いで、考えなければいけないと思います。
一番おいしかったのは、上カルビだったと思います。
この金額であれば、納得しなければいけない品質なのかなと思いました。
金額が固定されるバイキング形式、支払金額があらかじめ決定されているというのは、
育ち盛りの子供のいる家庭や男性のグループには、いいのかもしれません。
隣接の”のて”も、駐車場が一杯だったので、この地域の焼肉のニーズは、かなりあるのかなと思いました。
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2010年12月19日日曜日

堺市 サンタクロース

先日、ときわはまでら線の北向き車線で 中央環状線との交差点、
堺北警察署の手前で、信号待ちをしていたところ、”サンタが街にやってくる”の音楽が、聞こえてきました。

私の車を抜けていく原動機付自転車には、サンタクロースの衣装を着た運転手が、後部には クリスマスツリーがありました。

ちょっとびっくりしました。

2回出会いましたので、時間は、午後7時15分ぐらいでしたので、25日ぐらいまでは、また、見ることが出来ると思います。


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まいどおおきに食堂 河内長野市町食堂

まいどおおきに食堂 河内長野市町食堂

全国チェーン展開しているごはんやさん
セルフサービスのお店です

外環状線(国道171号線)沿い
駐車場(他2店舗と共通で、100台)
駐車場100台、便利に使えます。

住所 大阪府河内長野市市町1112-1-3
電話 0721-52-1001

営業時間 11:00~23:00
定休日 無休

平均予算1000円未満 


完全禁煙です

栄養のある、和食を安い値段で、すぐ食べる事が出来ます。
ご飯はかまどで炊いているのでおいしいです。どのメニューもおいしいです。
完全禁煙に、なっています。

こういった系統の食べ物屋さんが河内長野にはありませんから。
お昼を手軽に食べるには最適のお店だと思います

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2010年12月18日土曜日

珈琲館  河内長野店

外環状線(国道171号線)沿い
駐車場(他2店舗と共通で、100台)
駐車場100台、席数も96席あるので、グループでの待ち合わせ、ミーティングなど、
便利に使えます。
奥の席は、見晴らしのいい席になります。
AM02:00まで、営業しているので、深夜の利用も便利です。


珈琲館  河内長野店

くつろぎのひとときや楽しい語らい・静かな思索、そして味の良さ・もてなしのやわらかさ・空間ののびやかさ……
本物の美味しさをお楽しみください。
珈琲館 河内長野店
【郵便番号】586-0002
【住所】    大阪府河内長野市市町1112-3
【電話番号】0721-50-1020
【営業時間】平日 07:30 02:00 / 土日祝 07:30 02:00
【定休日】なし
【席数】96席(禁煙:54席、喫煙:42席)

店舗からのメッセージ
一杯のコーヒーに心をこめて。
くつろぎの時間と最上のおもてなしをご提供いたします。
皆様のご来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております

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2010年12月17日金曜日

焼肉 カルビの王様 河内長野店 (カルビノオウサマ)

ジャンル 焼肉

TEL 0721-54-2941

住所 大阪府河内長野市市町1112-3

外環状線(国道171号線)ぞい

交通手段 汐ノ宮駅から920m

営業時間 [月~金]
11:30~14:30
[土・日・祝]
16:45~24:00(L.O.23:30)
ランチ営業、夜10時以降入店可

定休日

平均利用金額 最も多くの方が実際に使った金額です。 →予算分布を見る
[夜] ¥3,000~¥3,999 | [昼] ¥1,000~¥1,999

駐車場 有(100台 他2店舗と共用)

ロケーション 一軒家レストラン

空間・設備 席が広い、座敷あり、掘りごたつあり

サービス 子供可


用途 多くの方がおすすめする用途です。
友人・同僚と | 家族・子供と

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2010年12月13日月曜日

予知夢 東野圭吾 探偵ガリレオシリーズ第2弾

『予知夢』(よちむ)は、東野圭吾の推理小説。探偵ガリレオシリーズ第2弾。2000年に文藝春秋より刊行された推理短編小説集。
テレビドラマ『ガリレオ』の原作。

『探偵ガリレオ』に続く、物理学者湯川シリーズの第2作である。
この作品から、科学以外の知識や論理的思考によって解明する事件が登場する。
また、この作品では草薙をはじめとする捜査一課が湯川に信頼を寄せており、民間人がおおよそやらないであろう
被害現場での検証や容疑者宅の訪問など、警察と同じような行動を見せている。

天才物理学者・湯川学が、大学時代の友人である刑事・草薙俊平の依頼を受けて、一見超常現象とも取れる不可解な事件を科学によって解決していく。
また、シリーズ第2作以降は論理的な推理によって、解決するものもある。

第一章・夢想る(ゆめみる)

世田谷にあるとある屋敷に深夜、男が侵入。
異変を感じたこの家の母親が猟銃を発砲した。
男はその場から逃げたがその際、死亡ひき逃げ事故を起こし、警察に逮捕される。
取調べで男は犯行を認めたのだが、屋敷に侵入した理由について「この家に住む女性"モリサキレミ"と17年前から結ばれる運命にあった」と供述したのだ。
そして、この言葉を裏付けるように、小学校時代の文集などにはどれもこの女性の名前が書かれていた。
しかも、17年前には女性本人が生まれていなく、男とこの家には接点がなかった。
これは「予知夢」なのか、偶然の一致か。それとも…。
草薙は半ば縋るように湯川の元を訪ね、湯川も当日、男が受け取ったとされる招待状に興味を示し、捜査に協力する。
容疑者の家を訪ねた湯川はある絵を発見する。そして、この事件の裏にある因縁を推理していく。

森崎礼美(もりさき れみ)…16歳の女子高生で、「結ばれる運命にあった」女性。最近はひどく怯えていた。
坂木信彦……27歳。住居侵入ならびにひき逃げの容疑者。以前から礼美に付きまとっていた。
            小学生時代は自閉気味だった。絵を描くのが得意。
森崎由美子…礼美の母親で名付け親。侵入した坂木に発砲した人物でもある。その真意は礼美を守るほかに理由があった…。
森崎敏夫……礼美の父親で輸入販売業社長。事件当日は海外に出張中であった。坂木への怒りを隠しきれない。
中本…………坂木の小学校時代の同級生。坂木が「森崎礼美」の家に侵入したことに動揺している。

第二章・霊視る(みえる)

午前1時、マンションの一室で女性が扼殺されているのを同じ店で働く女性が発見した。
その際、現場から逃走した男の横顔を目撃し、警察に通報。ほどなく男は逮捕された。
男は犯行を認め、衝動的に相手の首を絞めたと供述する。

しかし、殺害されたのとほぼ同時刻、別の場所で被害者の姿が目撃されていた。
目撃した男性は被害者の恋人であり、事件当時、友人である容疑者の男の部屋で留守番をしていたが、
深夜に被害者が窓の外にいるのを見ていた。
被害者が容疑者を避けていることを知っていた男性は、この場所に来ることに胸騒ぎを覚え、
女性に電話をかけ、その後死体が発見された。
報告書がオカルトになると危惧した草薙は湯川の元を訪れ、湯川もまた、被害者の手首にあった傷に興味を持ち、捜査に協力する。
そして、部屋にあったある痕跡から、この事件が仕組まれたものであると推理する。

小杉浩一…スポーツフリーライターで今事件の容疑者。
          女と付き合うことができない男であったが、殺害した女性に惚れ、付き合おうと考えていた。
          しかし、実際に女性に近づいたのには別の理由がある。
長井清美……被害者。クラブ「Tatoo」のホステス。
           小杉に交際を迫られていることにうんざりしていた。
           写真を撮るのが趣味で、「幸運な写真」を撮っている。レモンイエローのスーツを着こなす。
 細谷忠夫…会社員。幽霊の目撃者。
           小杉の友人であり、密かに清美と付き合っていて、事件当日もデートをしていた。
           小杉に清美と付き合っていることを告げようと電話をした結果、留守番に付き合わされることになる。
山下恒彦……無職。小杉、細谷の友人。
            小杉からの頼みで留守番と猫の世話を頼まれていたが、退屈だったため、細谷を留守番に誘う。清美のことは知らない。
織田不二子…クラブ「Tatoo」のホステス。清美の友人で、死体の第一発見者。
金沢頼子……フレンド・スケートクラブのコーチ。スポーツの取材で小杉がよく出会っていた。
           登場は後半部分だが、事件の大きな鍵を握っている。

第三章・騒霊ぐ(さわぐ)

非番の日に草薙は姉・森下百合の依頼で、ある女性の話を聞くことになった。
百合の友人の妹というその女性の夫が5日前に行方不明になっているというのだ。
そして夫がよく行っていたという家の老婆も最近亡くなっていた。
警察として動くことが出来ず、そのときは曖昧な答えしか出来なかった草薙であったが、2週間後に再び女性から連絡があり、
不思議なことを聞く。女性は亡くなったという老婆の家を見張っていた。
家には現在この甥夫婦たちが暮らしているが、決まって夜8時になると家をでるという。
その晩、草薙はひそかに尾行するが、彼らは何をするでもなく家に戻ってきた。
しかし、その間に家の前にいた女性は血色を変えて「家の中から物音が聞こえる」と話す。
夫は監禁されているのか…。草薙たちはその翌日、同じ時刻に無許可でその家に入り込み、中の様子を探る。
すると、突然、部屋の中が激しく振動し始めたのだった。

取り乱した草薙は、この手の話題を嫌う湯川を訪ねる。
すると、湯川は「思っている以上に深刻なことになっている」とこの現象を分析した。

神崎俊之…行方不明になっている男性。
          健康機器メーカーのサービスエンジニアでメンテナンスのため、老人ホームを多く訪れている。
          八王子の老人ホームを出た後の行方がつかめていない。
神崎弥生…俊之の妻。夫の居場所を掴もうとするが、警察が取り合ってくれない為、無謀な事をする。
          早くから高野家に目をつけていて、草薙曰く、「論理的な勘」の持ち主。
高野ヒデ…故人。生前俊之には懇意にしてもらっていた。俊之の失踪した日に心臓麻痺を起こし亡くなっている。
          夫から受け継いだ多額の財産を持っている。
高野昌明…ヒデの甥。妻のほかにもう一組のカップルと暮らしている。無職。借金を抱えている。
近藤………高野夫婦と同居している男。ヒデには友達と言っていたが実は…。柔道二段。

第四章・絞殺る(しめる)

ホテルの一室で男性の死体が発見された。
死体には細い紐のような絞め痕があり、何者かが絞殺したとして捜査が始まる。
しかし、死体のあったベッドの横のカーペットが焦げていること、また、死体についていた紐の絞め痕に沿って
皮膚が擦り切れていることなど絞殺にしては不自然な点があると考えた草薙は、現場に湯川を呼ぶ。
事件当日、被害者は「以前貸した金を返してもらう」と言って、家を出ていた。
また、犯人のものと思われる飲みかけの缶コーヒーとタバコの吸殻があったが、その人物を特定することができなかった。
一方、この数ヶ月の間に多くの生命保険にかけられていたことから、警察は被害者の妻を取り調べる。
すると、被害者が死亡した時間帯のアリバイがないことがわかった。
さらに事件について調べるため、二人は被害者の工場を訪れ、ある物を見つける。

しかし、1週間後、被害者の妻がアリバイを主張し、完璧に証明される。
再び、その家を訪ねた草薙は被害者の娘から、「事件発生前日に火の玉を見た」事を聞く。
捜査は振り出しに戻るなか、事件の検証をしていた湯川から電話が入る。
草薙が火の玉の話をすると、「じつに面白い、すばらしい」と話すのであった。
そして翌日、第十三研究室で驚くべきトリックが展開される。

矢島忠昭…「ヤジマ工業」社長。かつては大人数を雇っていたが、業績の悪化で工場は瀕死の状態にあった。
          家族と従業員を救う為、命を賭けた計画を考えていた。
矢島貴子…忠昭の妻。二人三脚で工場を切り盛りして来た。
          夫の忠告を聞かず、買い物に出た為、容疑者として取り調べられることになる。
矢島秋穂…忠昭・貴子の娘。「火の玉」の目撃者。
坂井善之…「ヤジマ工業」社員で最古参。矢島夫婦の苦労をよく分かっている。通称「ヨシさん」。
鈴木和郎…「ヤジマ工業」若手社員。通称「カズ」。
田中次郎…「ヤジマ工業」若手社員。

第五章・予知る(しる)

マンションの一室で女が首を吊って死亡した。
向かいにはもう一つのマンションがあり、そこには女の不倫相手が住んでいた。
カーテンを開ければ部屋の中も見ることができる位置だ。
女は相手の男に電話をかけ、「奥さんと別れなければ覚悟がある」といい、
自分の部屋にあるパイプハンガーに紐がかけられているのを見せ、首を吊ったのだ。
不倫相手への当てつけの自殺、ということで事件は片付いたかに見えた。

しかし、捜査をしていた刑事が、不倫相手の男の隣の部屋に住んでいる女性から不思議な話を聞く。
女性の娘が事件2日前、同じ部屋で女性が首吊りをするのを見たことを話していたのだ。
少女が自殺を予知したのか…。同僚から話を聞いた草薙は強引に湯川を連れ、捜査に乗り出す。
少女の話では「2~3日前の夜中に目が覚めてカーテンを開けると、女性が首を吊るのを見て、気を失ってしまった。
しかし、その部屋の女性は翌日、ベランダで楽しそうに電話をしていた」ということだった。
そして、湯川は少女の話から、この自殺が「芝居」によるものだという仮説を立て、そのトリックを推理していく。

瀬戸富由子…自殺をした人物。広告代理店で働いていた。
            表向きはキャリアウーマンそのものだが、恋愛に関しては魔性の女になり、大胆な事をして来る。
            実は、不倫相手にも伝えていないある秘密を握っている。
菅原直樹……某企業の宣伝部所属。
            富由子の不倫相手で自殺を目撃した人物。妻との生活に飽きを感じたころに富由子と出会い、不倫関係になる。
菅原静子……直樹の妻。そつなく主婦業をこなしていたが、実は不倫に感づいている。そして、彼女もまた…。
峰村英和……直樹の大学の後輩で同じ会社に勤める。製品開発担当で、ER流体のエキスパート。
            出世は約束されたようなものだが、実は直樹が激昂しかねない秘密を抱えていた。しかも…。
飯塚朋子……菅原夫妻の隣に住む女性。しかし、話したりする等交流は殆ど無かった。
予知少女……本名不明。富由子の自殺を2日前に予知したという朋子の娘。生まれつき体が弱く、少しの事で発作を起こす。
            夢と現実をまぜこぜにして話す癖がある。

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探偵ガリレオ  東野圭吾 探偵ガリレオシリーズ第1弾。

1998年に刊行した推理短編小説集。テレビドラマ『ガリレオ』の原作。

天才物理学者・湯川学が、大学時代の友人である刑事・草薙俊平の依頼を受けて、一見超常現象とも取れる不可解な事件を科学によって解決していく

古くから推理小説においては、「世間において、あまり一般的ではない科学技術を駆使したトリックは使用しない」という#トリックにまつわる暗黙の了解|暗黙の了解が存在するが、本シリーズではこれを意図的に破っている。





第一章・燃える(もえる)

「花屋通り」と呼ばれる人通りの少ない通りで、局所的な火災が発生し、たむろしていた若者が焼死した。
焼け跡から変形したポリタンクが見つかったこと、また、周辺にガソリンの臭いが充満していたことから、
何らかの弾みでポリタンクに火がついたとして捜査が始まるが、同じ現場に居合わせて怪我を負った連中が、
被害者の後頭部から突然火が上がったと証言するなど、火災が発生した原因については手がかりがつかめない。

「目の錯覚」「少年たちが火をつけた」という意見も捜査一課にある中、マスコミの唱えたプラズマ説を検証するため、
草薙は大学時代の友人、湯川の元を訪ねる。
現場を再び訪れると、一人の少女に出会う。
その子は事件当日、転んで怪我をしたのを草薙が手助けした際、「赤い糸が見えて、それを探していた」と話していた。
その言葉に興味を持った湯川は、ある工場に目をつける。

前島一之…町工場・時田製作所に勤める従業員。口が聞けない(唖者)。読書と音楽を好む。
金森龍男…前島の親友で、同じアパートに住んでいる。
          また、同じ工場に勤めているが、実はもうひとつ、あることをボランティアでやっていた。
          大声で騒いだり、ゴミを散らかすなど評判が悪い連中のことを憎んでいる。
山下良介…事件の被害者。
向井和彦…山下同様、現場で騒いでいた少年。
          仕事を辞めて親の元で暮らしているが、口うるさいのにうんざりして仲間とつるんでいた。
          事件発生時、煙草を吸っていたが、自分が火を点けていない事を主張している。

第二章・転写る(うつる)

草薙は中学生の姪の文化祭に出席するが、そこで奇妙なものを見る。
「変なもの博物館」と称された陳列品の中に石膏で固めたデスマスクがあり、草薙は胸騒ぎを覚える。
そして、血相を変えこのマスクを見る女性がいた。聞くと、この夏に行方不明になった女性の兄に酷似しているというのだ。
デスマスクを作ったのは、この学校に通う生徒。二人は偶然、自然公園にある池でアルミ製のマスクを拾い、
デスマスクを作ることを思いついたのであった。

そしてほどなく、この池からマスクの顔の主である男性の他殺体が発見された。
しかし、なぜ現場にマスクがあったのか、どのように生成されたのかは手がかりがつかめなかった。
そこで草薙は人体発火事件を解明した友人の物理学者・湯川を訪ねる。湯川は実際に池を訪れ、
ある自然現象によってマスクが作られたと考える。
一方、事件の方は、容疑者らしい人物をリストアップするも、その人物には被害者が失踪した日に海外へ旅行に出かけている
というアリバイがあった。

柿本進一…事件の被害者。歯科医。
柿本昌代…進一の妻。実は秘密を抱えている。
柿本良子…進一の実妹。保険会社に勤めている。進一の顔をしたデスマスクに動揺を隠せなかった。
小野田宏美…良子の学生時代からの友人で、中学の音楽教師。デスマスクが進一の顔をしていることにいち早く気づいた。
山辺昭彦、藤本孝夫…中学校の生徒。
          マスクを池で見つけ、デスマスクを作った当人。「鯉が釣れる」と友人にかつがれ、この池で釣りをしていた。
笹岡寛久…パソコンの棚卸をしている事務所で働く。被害者に競走馬の共同購入の話を持ちかけていた。
          また、多額の借金を抱えていたが、この夏以降に返済されている。

第三章・壊死る(くさる)

スーパーマーケットの経営者が浴槽に浸かったまま死亡しているのが、その息子によって発見された。
死体の胸には奇妙な痣が出来ていたが、解剖した結果、痣になっている部分は細胞が完全に壊死していた。
死亡した人物からは薬物は検出されず、また、感電死してできる痣でもないことから、死因を特定できず、
捜査一課も手が出せなかった。
手がかりをつかめないまま草薙は湯川を訪ね、この人物が行きつけにしていたクラブに足を運び、
ご贔屓にしていたというホステスに目をつける。

このホステスの女は、亡くなった人物に多額の借金を肩代わりする見返りに同居を迫られていた。
この状況を避けたいと考えていた彼女は、同僚の男に冗談で殺人の依頼を持ちかける。
最初は困惑してその場を去った彼であったが、その後電話で「絶対に病死にしか見えず、
仮に他殺だと分かってもその手段が分からない。世界で前例のない」殺害方法を女に提案する。

内藤聡美…クラブ「キュリアス」のホステス。しかしこれは夜のバイトで、昼間は東西電機埼玉工場にて事務を担当している。
高校卒業後に新潟から上京したが、ブランド品に依存してしまい、カード破産寸前になっていて、被害者からは多額の借金をしていた。
田上昇一…聡美の同僚であり、夜の顔を知っている。聡美を溺愛し、つきまとっていて、新潟に戻って結婚する事を考える。
          聡美のためなら何でもやる男。今回の殺害に用いているあるものを管理している。
高崎邦夫…被害者。スーパーマーケットの経営者。しかし、裸一貫から立ち上げたため金銭面では汚いことをしてきた。
          吝嗇家で家の金にはケチをつける一方、聡美につぎ込む金は惜しまなかった。このため恨みを多く買っていたという。
高崎紀夫…邦夫の息子で死体の第一発見者。
          父に憎悪を抱いており、死体発見時にも「都合のよい事が起きた」としか考えていなかった。
河合亜佐美…クラブの先輩ホステス。聡美の夜の仕事仲間。
橋本妙子…聡美の昼の仕事仲間。聡美の噂をあれこれ聴いているが、水商売をしている事は知らない。

第四章・爆ぜる

三鷹のアパートにて、男性が撲殺されているのが発見された。
この部屋から帝都大学理工学部脇にある駐車場の写真が見つかり、捜査に当たっていた草薙はその足で第十三研究室を訪ねる。
そこで湯川は、一週間前に湘南海岸で突然火柱が上がり、泳いでいた女性が爆死した事件について学生と議論を交わしていた。
これは管轄の神奈川県警でも原因を特定できず、捜査は難航していた。

一方、草薙は殺害された男性が8月30日に大学を訪れ、教授の車を尋ねていたことを聞く。
また、被害者は1ヶ月前に勤めていた会社を突然辞めていたが、大学の人物からは有力な情報を得ることができずにいた。
捜査が暗礁に乗り上げようとしていたとき、草薙は被害者の部屋から海岸近くにある喫茶店のレシートを発見する。
それは女性の爆死事件当日のものだった。そして、この女性の経歴を調べるうち、2つの事件につながりがあると考える。
また、湯川も海岸を訪れ、爆発の正体を突き止めようとする。
しかし、事件はまだ終わっておらず、さらにもう一人の命が狙われようとしていた。

藤川雄一…アパートで殺害された被害者。帝都大学理工学部エネルギー工学科出身。
          7月に、勤めていた「ニシナ・エンジニアリング」を辞めていた。
          熱工学の研究に取り組んでいたが、4月に別の部署に配置転換されている。
松田武久…帝都大学理工学部エネルギー工学科出身。第五研究室助手。
          湯川とは同期。以前、藤川には研究に協力してもらっていた。
梅里律子…湘南海岸での爆発事件の被害者。一年前まであるところに勤めていた。
梅里尚彦…律子の夫。会社員。
横森…帝都大学理工学部エネルギー工学科第五研究室教授。
          「ニシナ・エンジニアリング」の技術顧問であり、藤川を推薦した。
木島文夫…帝都大学理工学部教授。理工学部のドンで、向学心のある学生が受けたがる教授の一人。
          藤川の受講プログラム変更を認めなかったことがある。

第五章・離脱る(ぬける)

7月25日、マンションの一室で女性の絞殺体が発見された。
検証を行った草薙は、現場にあった名刺から、被害者が殺害された22日に自宅を訪れたとされる男に話を聞く。
すると、男は相手の希望で名刺に書かれていた前日に伺い、事件があった当日は体調が優れなかったため、
川の近くに車を止めて休んでいたと答えた。
しかし、被害者宅近くの住人が、事件当日に男の乗っていた車を家の前で見たと証言。
男は容疑者として任意で聴取を受けることになる。
それでも当日のアリバイを主張するが、目立たない場所に止めたとあって誰も証人が現れない。
この男が真犯人……その空気が流れる中、一通の手紙が捜査一課に送られる。
それは、手紙の主の息子が河原に止めてある男の車を見たというものだった。
ただし、その方法が幽体離脱によるものだというのだ。手紙にはそのとき描かれたとされる絵も同封されていた。

その少年は事件当日、部屋で休んでいたが、突然体がふわふわして、部屋の外の景色をそのまま絵に描いていた。
その不思議な絵を見た手紙の主は当日に仕事仲間にもこのことを知らせる。
また、少年の部屋の前には工場の大扉があり、常にしまっている状態で普通の状態では見える位置にはなかった。
幽体離脱は本当に起こったのか。捜査一課が混乱する中、間宮係長の命で草薙は湯川の元を訪ねる。

栗田信彦……保険会社の外交員で、今事件の容疑者とされている人物。気が弱い。
長塚多恵子…被害者。栗田とは上司を介して付き合いを持っていた。
            お見合いの話もあったが結局破談になっている。その時の関係で栗田の保険会社に加入していた。
上村宏………フリーライター。妻とは離婚し子供一人と暮らしている。今回の現象を記事にして、マスコミに公表する事をも目論む。
          ヒステリックになりやすい。
上村忠弘……宏の息子で、幽体離脱を起こしたとされる人物。生まれつき体が弱く、学校を休みがち。絵を描くのが得意。
竹田幸恵……忠弘のクラスメートの母親で、パン屋を経営している。夫は事故死していて彼女も子供と二人暮し。
            宏に気があるが、この事件で有名になるのが気に食わない。

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2010年12月11日土曜日

『ガリレオの苦悩』  東野圭吾

探偵ガリレオシリーズ第4弾。2008年に『聖女の救済』と同時刊行した推理短編小説集。

『探偵ガリレオ』には、科学の力でオカルト現象を解明するという統一テーマがあり、
続篇の『予知夢』ではさらに心霊現象の要素が強化されていた。
『ガリレオの苦悩』も前二作の路線を踏襲した連作集であるが、湯川自身が深く事件に関与した作品が多いという特色がある。


この作品からテレビドラマ『ガリレオ』の企画から生まれたキャラクターである内海薫が登場する。




第一章・落下る(おちる)

マンションから一人の女性が転落死する事件が発生。
被害者に鍋で殴られた痕跡があったことから他殺の可能性も浮上し、捜査一課が担当することになった。
その後被害者の先輩である岡崎光也が名乗り出て、被害者宅に訪れたことやマンションを出て行った後
被害者が転落する場面を目撃し、その場でピザ屋の店員にぶつかったアリバイを供述する。

だが女性刑事の薫は女性用の下着が入った宅配便が玄関前にあったことなどを理由に岡崎が被害者と恋人関係にあると睨み
岡崎に疑念を向ける。だがその岡崎が離れた場所にいてどうやって被害者を転落させたのかはつかめないでいた。
(女性ならではの視点)

そこで薫は草薙に頼み込んで、以前捜査協力をしていた湯川に協力を仰ぐことに。
だが草薙から紹介状を受けた湯川には協力する意思はなく頑なに協力を拒むのだった。
落胆した薫だったがトリックに関する自分の仮説を述べたことで湯川に「価値の無い実験は無い」という言葉を送られ、
自分の説の検証に挑んでいく。

江島千夏…マンション転落事件の被害者。銀行に勤めている。
岡崎光也…大型家具屋のセールスマン。
江島千夏とは大学のテニス同好会の先輩という間柄で、事件前はベッドのカタログを江島千夏に渡すために江島千夏家に訪れていた。
三井礼治…「ドレミピザ木場店」の配達員。事件前にはピザの配達のためにマンションに訪れ、その時に岡崎とすれ違っている。

 第二章・操縦る(あやつる)

かつて「メタルの魔術師」と呼ばれた一人の男。
元帝都大学助教授だったその男は久々にかつての教え子たちと自宅で酒を飲んでいた。
男は席を外し、教え子たちが話をしていると、離れ家から炎が上がり始める。
離れ家に住んでいたのは「メタルの魔術師」友永幸正の息子である邦宏で、消防の必死の消火もむなしく、すでに息を引きとっていた。
警察は火事による焼死と見ていたが、遺体の状態から刺殺であることが判明。
しかし、離れ家は密室。さらに凶器も見つからず、特定もできていない。

担当の草薙たちが現場に到着すると、なんとそこには湯川がいた。
湯川もこの久々の再会に参加する予定であり、その場には間に合わなかったものの、事件の状況は把握していた。
偶然事件に巻き込まれた湯川だが、事件の真相を追うにつれ、意外な真実を知ることになる。

友永幸正…元帝都大学助教授で、かつては「メタルの魔術師」と呼ばれていた。被害者の父親。
しかし、娘の奈美恵や息子の邦宏、前妻や亡くなった妻とは複雑な家庭事情があった。
現在は脳梗塞の後遺症があるため、車椅子で生活している。
新藤奈美恵…幸正の内縁の娘。身体の悪い幸正の身の周りの世話をしている。
友永邦宏…幸正の前妻との息子。残酷な人間性の持ち主で、幸正や奈美恵、近所の住民からも煙たがられていた。
この事件の被害者。

 第三章・密室る(とじる)

ペンションを経営する友人・藤村からある事件に関わる謎の解明を依頼された湯川は藤村のペンションに招かれる。
その謎は藤村のペンションの客がガードレール下で転落死したことが発端だった。
事件の前、夕食頃に藤村が被害者を呼んだところ応答が無く、内側にドアチェーンが掛かり、窓からも鍵が掛かっていた。
2度目に呼んだときには被害者がいる気配がしたが、しばらくすると他の客から窓が開いているのを聞いたときには
被害者は失踪し転落死していた。
藤村は最初に呼びかけた時には鍵が掛かった部屋の中にいなかったはずの被害者が2度目の呼びかけた時に部屋にいたという
「密室」の謎が気に掛かっていた。

藤村の頼みを聞いた湯川は謎を解明するため周囲への聞き込みを開始する。
だが藤村は必要以上に事件前の周囲の状況を詳しく知ろうとする湯川の詮索を嫌い、最終的に調査を断ってしまう。
だが、その次の日湯川は事件の裏にある一つの結論を藤村に告げる。

藤村伸一…湯川と草薙の友人でペンション経営者。
元商社マン。草薙を通じて湯川の活躍を知り、ペンションで起きた「密室」の謎の解明を湯川に依頼する。
藤村久仁子…藤村の妻。両親は土砂崩れの巻き添えになって他界している。元はクラブのホステスで3年前に藤村と親密になり結婚。
祐介…久仁子の弟。観光協会勤務。
原口清武…藤村のペンションの宿泊客。自身の部屋で謎の失踪を遂げた後、転落死している。

 第四章・指標す(しめす)

ある老女が何者かに殺され、さらにその家から金の地金が盗まれる事件が発生。
また事件があった時には被害者が飼っている犬がどこかへいなくなっていた。
犯行のあった日に被害者宅を訪ねた真瀬貴美子に嫌疑が掛かるものの証拠が見つからず捜査は難航するのだった。
ある時同僚の岸谷と真瀬家の張り込みをしていた薫は貴美子の娘・葉月が一人で家を出るところを見かけ、
不法投棄が行われている場所まで後をつけたとき、薫と葉月は洗濯機に捨てられた被害者の犬の死骸を発見する。

薫は葉月からの証言を聞くが、その証言は葉月がダウジングをすることで被害者の犬の居場所を突き止めたという
俄かには信じられない内容だった。
葉月の証言の対応に困った薫は湯川に相談を持ちかける。そ
れを聞いた湯川は真偽を確かめるため葉月との対面を薫に指示する。

真瀬葉月…中学生。未来を指し示す水晶の振り子で自分の今後を決めている。
真瀬貴美子…保険会社のセールスレディで葉月の母親。3年前に夫を亡くしてから、女手一つで葉月を育てている。
碓井俊和…貴美子の上司。仕事の面で貴美子をサポートしていた。また貴美子とは恋人関係にある。
野平加世子…事件の被害者である老女。夫が残した金の地金を所有している。

 第五章・攪乱す(みだす)

ある日、警視庁の元へ届いた一通の手紙。悪魔の手と名乗るその手紙の差出人は自分の意思で自在に人を葬ることができるという。
にわかに信じがたいその内容に、警察は悪戯とも本物の予告状とも決められずにいた。
しかし、その予告状にはT大学のY准教授の名が書かれていた。すると草薙の元に湯川から電話がかかってくる。
なんと、湯川の元にも似たような手紙が届いたという。犯人は、湯川に挑戦状を出したということだった。
犯人が誰なのか、本当の目的が何なのか、警察は何もわからぬまま、悪魔の手と名乗る人物は動き出す。

その後、悪魔の手は妙な方法の犯行予告による殺人をはじめ、様々な手を使って警察を翻弄。
打つ手のない状況に困り果てた警察。しかし、湯川の推理と薫の執念が犯人のトリックのわずかな綻びからその真実を暴いていく。

悪魔の手…湯川と警察に勝負を仕掛けた謎の男。
上田重之…ベテランの作業員だったが、ビルの高所作業中に転落して死亡。悪魔の手は、彼が自らの手によって葬られた最初の人物だという。
石塚清司…首都高を車で走行中に死亡。彼もまた、悪魔の手による被害者だという。
高藤英治…企業の研究部門で働いていたが、人事異動により研究部門をはずされ、納得がいかずに会社を退職していた。

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2010年12月10日金曜日

容疑者Xの献身 東野圭吾

「人に解けない問題を作るのと、その問題を解くのとでは、どちらが難しいか。ただし、解答は必ず存在する。どうだ、面白いと思わないか」


隣人・靖子に思いをよせている、高校の数学教師・石神は、毎日彼女の顔を見に、彼女の働くお弁当屋に、弁当を買いに行くのが日課です。
ある夜、石神は、靖子と娘の美里が、やむを得ない事情で、靖子につきまとっていた別れた夫・富樫(ゴキブリのような男)を殺害してしまったのを知り、 彼女たちに協力を申し出ます。

タイトル(容疑者Xの献身)と帯(人は、どこまで深く人を愛すことが出来るか? どれほど大きな犠牲を払えるか?)によると、純愛犯罪小説、といったところでしょうか。

彼の深い思いには、感動より先に、驚愕で声もでない、といった感じでした。
自分自身を犠牲にして、見返りを求めない純粋な愛という存在し得ないものですかね。

途中(ベンツを尾行するシーン)で一瞬、彼はこの先ストーカー化して、これをネタに靖子を支配しようとするんだろうか?と、
私は、すっかり引っかかってしまいました。
本当に、作者の思う壺ですね。
想像力豊かであれば、あるほどひっかっかてしまう、この小説のわなにはまりそうになりましたね


純粋ではあるが、片想いなわけで、石神の気持ちは異常に重いし、特に女性は、気持悪い!って思うかも、知れません。
しかもその相手である靖子が、同性に嫌われるタイプだと思います。
だから、展開についていけない人もあると思うので、その辺で評価が分かれるかもしれません。
警察の疑惑に、次々と石神が、手を打っていくので、感心している内に、感心しているうちに作者のわなに、いつのまにか、警察と同じようにわなにはまっていく。

それで、最後のトリックを知って、えーとなるので、反則技がないか、読み直すとこれがない。
ただ、書くべきことを書いていない、書かなくていいように、物語を進めていっている。


草薙刑事と、湯川助教授が活躍する、探偵ガリレオのシリーズですが、
今回は、物理学の天才・湯川VS数学の天才・石神の思考の対決が、全面的に前に出てきます。

倒叙式で、ストーリーの初めに、殺人のシーンが見せられています。(刑事コロンボ&古畑任三郎形式ですね。)
富樫を殺したのは靖子と美里、石神は、その事件の隠蔽工作をしている、とわかってしまっているわけです。
もう、この時点で、もう作者のわなにはまっているわけです。

「人に解けない問題を作るのと、その問題を解くのとでは、どちらが難しいか。
ただし、解答は必ず存在する。どうだ、面白いと思わないか」

物理学者の湯川学が、同じ大学の旧友であり、すぐれた数学者としてその才能を唯一認めている石神哲哉に対して放った言葉である。
本書のミステリーとしての面白さは、犯人を推理することにはない。

その犯罪には直接関与しなかった石神が、どのような方法で警察や湯川の目をあざむいてその犯罪を隠蔽しえるのか、
という点にこそ面白さがある。

探偵や刑事よりも、むしろ殺されて当然のような最低の男を殺してしまった靖子や、
彼女への愛ゆえにその犯罪の隠蔽に力を貸すことにした石神といった登場人物のほうに、
読者がより感情移入しやすい。

それ以上に重要なのは、数学者石神が、ひそかな思いを寄せているとはいえ、
犯罪隠蔽の大きなリスクを、なぜあえて行なうことになったのか、というその心情面こそが、
本書の中心にあるからこそでもあるのだ。(実際には、もっと大きな犯罪を犯してしまっているのだが)

石神という男の靖子に対する愛情がどの程度のものなのか、について、じつはあまり言葉を尽くしてはいない。
それは見方によっては彼の愛、そして愛ゆえの献身ぶりが、ありえない 信じがたい設定なのです

本書のタイトルから、本書のもっともメインとなるテーマは、
『人間の愛――人が自分以外の誰かのために、どれだけのことができるのか』
という一点につきるのだ。
その献身がどれほど大きなものなのかは、仔細にはかかれていない。
最後であきらかになる謎解きが、同時に石神という男の靖子に対する愛の深さを思わせるに、充分な衝撃とすさまじさを併せ持ったものとなっている。

人間のその無限の愛を何百万の言葉を費やすよりも深く、強く表現することに成功した作品、

だからこそ探偵などよりも、「容疑者X」たる石神のキャラクターが物語の中心となる。

引用した文章は、「人に解けない問題を作る」者=犯人であり、「問題を解く」者=探偵という構図を示す。
探偵役となる湯川自身が、「問題を作るほうが難しい」と答え、「人に解けない問題を作る」者に、敬意を払うべきといっている。

才能がありながら、才能を充分生かすことのできない立場にある男が、
才能を自分が守るべき者のためだけに費やしていくという、倒錯していながら、
それでいて、だからこそ美しいそのトリックの境地を味わうことが出来る。

『人は、どこまで深く人を愛すことが出来るか? どれほど大きな犠牲を払えるか?』
考えさせられる作品です。



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2010年12月9日木曜日

聖女の救済 東野 圭吾

 「おそらく君たちは負ける。僕も勝てない。これは完全犯罪だ。」

昔、大ヒットした海外ドラマに「刑事コロンボ・シリーズ」が在る。
この作品の特徴は「いきなり犯行の全容を視聴者に見せた上で、コロンボ刑事が関係者と遣り取りをし、
様々な手掛かりを見付け出して行く事で、最終的に犯人を自供に追い込む。」という「倒叙形式」が採られている。

視聴者は「犯人」や「犯行過程」が最初から示されている訳で、「どうやって“探偵”が“犯人”を見抜くのか?」や
「“探偵”はどういう風にして“犯人”を自供に追い込んで行くのか?」を楽しむことになる。


ドラマ「古畑任三郎シリーズ」もこのスタイルを採っていた。

「聖女の救済」は東野圭吾氏の人気シリーズ「探偵ガリレオ・シリーズ」の長編第2弾だが、
最初から犯人が示されている“と言っても良い”点では倒叙形式と似ているが、具体的な犯行トリックが判らない。

「天才物理学者・湯川学がいかに犯行トリックを見破り、そして犯人を自供に追い込んで行くか。」を、読者は楽しむ事になる。
だから読者の楽しみは犯人探しではなく、天才物理学者の湯川の協力を得て警察が犯人を捜し当てる過程の追体験と、
犯行の方法の推理だ。

冒頭に描かれているのは、IT企業社長の真柴義孝がキルト作家で妻の綾音に別れ話を切り出す場面。

ドライな義孝にとって結婚は子供を持つ為の手段に過ぎず、綾音に結婚を申し入れる際にも
「1年経っても子供が出来なかったら離婚する。」と伝えてあった。
子供に恵まれないまま“期限”を迎えた事で、義孝は冷酷な通告をしたのだ。
それを聞いた綾音は、心の中で義孝に呼び掛ける。「私はあなたを心の底から愛しています。
それだけに今のあなたの言葉は私の心を殺しました。だからあなたも死んでください―。」と。

翌日は土曜日。その朝に綾音は実家の在る札幌へと向かう。
父親の体調が良くなく、看病している母親の手伝いをする為という事だった。
そして日曜日の夜、義孝が毒殺される。自宅でコーヒーを飲んでいて倒れたのだ。
彼は土曜の夜及び日曜の朝にも同じコーヒーを飲んでいたにも拘わらず、全く無事だったと言うのに。

殺害動機の面で最も疑わしき綾音だったが、「確実なアリバイ」と「毒物混入方法が不明」という点で容疑者から外される方向に。
しかし彼女に強い疑惑を持つ女性刑事・内海薫は、湯川に捜査協力を求め・・・。


次の2つの湯川の言葉は、この作品を上手く暗示していると思う。

無駄なものだと思って取り除かれた物にこそ、もっと重要な意味があった

「恐竜の化石といえば骨だろうと君はいったが、その思い込みにこそ重大な落とし穴が潜んでいる。
それにより多くの古生物学者たちは、貴重な資料を大量に無駄にしてしまったんだ。
(中略)穴を掘っていたら恐竜の骨が見つかった。学者たちは喜び勇んで掘り出す。
骨についた土をすべて綺麗に取り除き、巨大な恐竜の骸骨を作り上げる。
なるほどティラノサウルスは、こんな顎を持っていたのか、こんなに腕は短かったのか、という考察を始める。
だけど彼等は大きな過ちを犯していた。
2000年、ある研究グループが、掘り出した化石の土を取り除かず、そのままCTスキャンし、
内部構造を三次元画像にするということを試みた。するとそこに現れたのは、心臓そのものだった。
それまで捨てていた骨格内部の土は、生きていた時の形をそっくり残した臓器などの組織にほかならなかったというわけだ。
今では恐竜の化石をCTスキャンするのは、古生物学者たちのスタンダードな技術となっている。
(中略)この話を初めて知った時、これは数千万年という時代が作りだした巧妙なトリックだと思った。
恐竜の骨を見つけた時、内部の土を取り除いた学者たちを非難することはできない。
残っているのは骨だけと考えるのがふつうだし、その骨を露わにし、見事な標本を作ろうとするのは研究者として当然のことだ。
ところが、無駄なものだと思って取り除かれた土にこそ、もっと重要な意味があった。」

虚数解

「今日、君が帰った後も、あれこれ考えてみた。真柴夫人が毒を入れたと仮定して、どういう方法を用いたのかをね。
だけどどうしてもわからない。僕が出した結論は、この方程式に解はない、というものだった。
ただ一つを除いてね。
(中略)ただし、虚数解だ。(中略)理論的には考えられるが、現実的にはありえない、という意味だ。
北海道にいる夫人が東京にいる夫に毒を飲ませる方法が一つだけある。だけどそれを実行した可能性は、限りなくゼロに近い。
わかるかい?トリックは可能だが、実行することは不可能だということなんだ。」


犯人は判っているし、「これは何等かの意味合いを持っているな。」と感じる“物”も判った。
ここまでは、読者は、たどり着く、しかし、犯行の方法が判らなかった。

方法論としては可能だが、“一般的な感覚”では考えられないトリックだから。
湯川をして「驚くべき執念、おそるべき意志の強さ」と言わせしめたトリックでも在る。

このトリックも常識的には、「実際には在り得ない・・・。」と思ってしまう事は必定。

ヒントを配置してあるのだが、常識的な読者は、あれやこれやと考えるが、回答にはたどり着かない。

この作品、文芸雑誌「オール讀物」の2006年11月号から2008年4月号にかけて連載された。
ドラマ「ガリレオ」が放送開始となったのは2007年10月15日なので、この連載中という事になる。
ドラマが大人気となった為だろうか、作品の最後の方で内海がiPodで聞いているのが福山雅治氏の曲という事になっている。

内海という女性の刑事が登場するのだが、映画の企画で創造された人で、
本書と「ガリレオの苦悩」から原作でも登場するようになったらしい。
この人がいることによって、犯罪捜査以外のドラマ性も加わった。

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2010年12月7日火曜日

Imagine/ John Lennon

オリジナル(1972年)

Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living flife in peace




You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

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Happy Xmas (War Is Over)/ John Lennon

Happy Xmas (War Is Over)/
オリジナル(1972年)

(Happy Xmas Kyoko
Happy Xmas Julian)

So this is Xmas
And what have you done
Another year over
And a new one just begun
And so this is Xmas
I hope you have fun
The near and the dear one
The old and the young

A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear

And so this is Xmas
For weak and for strong
For rich and the poor ones
The world is so wrong
And so happy Xmas
For black and for white
For yellow and red ones
Let's stop all the fight

A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear

And so this is Xmas
And what have we done
Another year over
A new one just begun
And so happy Xmas
We hope you have fun
The near and the dear one
The old and the young

A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear
War is over, if you want it
War is over now

Happy Xmas

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"ジョンの魂" やすらかに

ジョン・レノン

1980年12月8日
ニューヨークの自宅アパート『ダコタハウス』前で ファンを名乗る男性に銃撃されて死亡。

1971年 発表の『イマジン』『ハッピークリスマス』は、『愛と平和』を訴えたもの。

ジョンの死亡ニュースを聞いたときは、信じれなかった。
マッカトニーの死亡説も流れたときもありましたから・・・・・・・・・・。



『ハッピークリスマス』は、今年も街の中に、流れて人々に聞かれるのだろう。

ダコタアパート前からセントラルパークへ入ると静かな木立の中に 『イマジン碑』があります。   

ビートルズの名曲にちなみ、『ストロベリーフィールズ』と呼ばれている。

堺市の中心で?を叫ぶ

陰陽師 瀧夜叉姫 下 夢枕獏

『俵藤太』

俵藤太の屋敷で、晴明と博雅が話している。
20年前の興世王の首が、他人のものではないか?と疑問を提起。

俵藤太も、様々な怪異のことが起きているが20年前の平将門のことと関係あるのではないかと思っている。



『浄蔵』

浄蔵の出自が書かれている。
道真調伏の呪法を行ったり、死人を一時生き返らせたりしている。

晴明と博雅は、雲居寺に、浄蔵をたずねていく。
浄蔵は、将門の首を盗み、二月かかって焼き灰にした。
ここで、集まらなかった、首がどうなったかが、わかる。
その灰が一部盗まれたので、一部を小野に預け他を加茂川に流して捨てた。
詳しくは、道満に聞かれるのを恐れて語らなかった。
将門が黄金丸で、切られて今年で20年、蘇りをたくらむ人間がいる事を、晴明が示唆する。

『瀧夜叉』

男が真言の呪法を行う、そこには将門の体がある。
そのそばに、女がいる、名は瀧夜叉姫と呼ばれている。

浄蔵が、灰を預けた男は、小野好古の弟の小野道風であったことが語る。
『鬼笛』で、出てくる女を食われて、生き残った男が、小野道風であった。
首は、焼かれて灰になったが、一部は誰かの手に渡ったが、後一部は、後のために小野道風が知らずに持っていることが判明。
また、右腕は他の誰かに盗んでいたことがわかる。

平貞盛の館に、晴明と博雅は、俵藤太と一緒に行く。
そこで、息子維時は 、貞盛が児肝をしていたことを告白する。
児肝とは、生きている男子の胎児の肝を食うことで、瘡を直そうとすること。
如月をつれた詳仙が、塗り薬も、何度か塗って治したが、効き目が無くなり、貞盛に児肝をおしえた。

『ものの怪祭』の孕み女が9人も、殺されている話がこれが真実となる。

そして、貞盛の顔の瘡をほじると将門の顔が現れる。
ここに、将門の首が復活した。

『隠体の者』

小野道風は、加茂保憲に、強弁で迫られ、浄蔵から預かった錦の袋を渡す。
ここに、首の灰を一部が、入っていた。

道風の館に、瀧夜叉があらわれる、櫛の話が出てくるが、あとの俵藤太が、渡した櫛とのつながりが、符合しない。
藤太と将門の戦い、保憲と瀧夜叉の戦いが、描かれる。

保憲と瀧夜叉の戦いに、道満が、五首の大蛇を伴ってあらわれる。
道満は、瀧夜叉を逃がす。

藤太と将門の戦いは、藤太が将門の首を落とすが、その首を興世王に、もっていかれる。
詳仙は、興世王だった。如月も仲間だった。

『裏の帝』

詳仙が、貞盛に塗っていた塗り薬は、将門の首の灰であることが判明。
興世王(詳仙)は、将門を蘇らせることを、画策していた。

将門は、右腕以外は、復活を遂げる。

加茂保憲、俵藤太、浄蔵、小野好古、晴明と博雅が、集まっている。

道満が、五首の大蛇をつれていたこと、『五頭龍』の話ががここで出る。
如月が瀧夜叉ではないかの指摘。

藤原純友について、書かれる。
純友の首が、偽者ではないか?
興世王の首も、偽者ではないか?

将門と桔梗の娘、滝子の話が出る。

将門が、いかに、鬼に、不死身になったかが、おどろおどろしく書かれている。

コドク 虫を争わせて、共食いをさせて、残ったものには 特殊な力がある。
将門がそうだという。
晴明は博雅に、あの男(帝)もそうだ。将門と何一つ変わらなくて、同じなのだという。

将門の灰の利用方法に、将門の場所を知らせるもある。
他にも、利用方法が、あるようです。

如月が、滝子であり、滝夜叉であるという。

『屍返し』

晴明と博雅は、平貞盛の館に行き、維時に、貞盛の死体を預かり、将門のいる場所を探ろうとしている

保憲と浄蔵は、将門の首を焼いた灰で、将門のいる場所を探ろうとしている。

晴明と博雅、貞盛、藤太が、将門のいる場所に向かう。

興世王が コドクの法を用いたこと、如月を亡き者に使用としたとき、道満が現れる。

道満は、19年前、百鬼夜行を見た際、将門の右手をひらって、5首の龍という式にしている。

『鬼哭』

道満と興世王、5首の龍と大蜘蛛の戦い。
5首の龍は、如月を今度も助けようとする。

そこへ、浄蔵を遅い損ねた将門が、帰ってくる。
5首の龍が、将門に向かっていく。
5首の龍は、将門の右手なので、合体して、完全体の将門になる。

逃げてきた如月を、追ってきた大蜘蛛と藤太の戦いに、藤太は勝利する。

将門と道満の戦いに、道満は戦いを避け、将門と藤太になる。
不死身の将門に、黄金丸も歯が立たないが、将門の灰がここで役に立つ。

興世王と維時、晴明、博雅の戦い。
興世王が、藤原純友であることがわかる。

『結の巻』

それぞれが、決着を迎える。

道満が、将門の右手を持ち帰る

 堺市の中心で?を叫ぶ

中百舌鳥駅北口ロータリー沿いに Rue de Noel がオープン予定

中百舌鳥駅北口ロータリー沿いの ビルの2F、3FにRue de Noel がオープン予定。

又、美容室ですか?と思うのは、私が男性だからでしょうか?

中百舌鳥南側のときわはまでら線のトンネルの上の側道の一戸建てにあります。

まったくの新参でもないので、激戦区なかもずで新店を、しかも 2F、3Fでやろうというからには、
勝算もあるのでしょう。

オーナーの勇気に、拍手を送りたいと思います。

 堺市の中心で?を叫ぶ

2010年12月6日月曜日

陰陽師 瀧夜叉姫 上 夢枕獏

上下二巻分冊の長編

長編ゆえの構成からか、話が各章ごとに切れていて、問題提起されるが、わずかな手がかり以外に、何の方向性も示唆されない、話が続いていく。
20年前の物語が、あって、歳月を経ていろんな奇怪なことがおきる。




『序』

阿部晴明の幼少時代に、師の加茂忠行と百鬼夜行にあった話。
蘆屋道満も、同じ百鬼夜行に遭遇する。
後に、この百鬼夜行が、何を運んでいたのかの解決が示される。

『ものの怪祭』

藤原治信の腹が大きく膨れ上がり、困っているところに、蘆屋道満があらわれる。
その中のものを取り出す。
それは、巨大な蛇のごときものと書かれているが、後にこれが、本当は何かの解決が示される。

小野好古の屋敷に盗らずの盗人があらわれる。
雲居寺から 預かった物を探している。
大きな蜘蛛と女があらわれる。
後に、誰が何を探しているのかの解決が示される

兄弟子の加茂保憲が、晴明の屋敷に、式にのってあらわれる
孕み女が9人も、殺されている話が、出てくる。
腹をさかれ、男の子の腹にも、傷がある。
後にこれが、誰が何のために何をしているのかの解決が示される

『鬼笛』

男と女が密かに、逢引をしているところに、百鬼夜行と男と童女が現れる。
鬼にたくさんの人の身体に部分を集めてこさせて、童女が選んでいる。
右腕と首以外の部分は、集まった。
浄蔵の式が紛れ込んでいたことが、発覚する。
女は、鬼に食われてしまう。

後にこの男が、誰かが示される、
この人の部品が誰のものか、集まらなかった 右腕と首の所在が後に 示される
平貞盛の家で、晴明は瘡のことを問われるが・・・・・・・・・・。
蘆屋道満があらわれ、晴明の放った式が、発見されてしまう。

『ムカデ退治』

俵藤太『藤原秀郷』の持つ『黄金丸』という剣の話。
勢多の大橋で、誰もが恐れていた大蛇をまたいで越える。
その大蛇から、ムカデ退治を頼まれる。

刃こぼれした『黄金丸』を研ぎなおしてもらうが、切られたら傷が20年は治らないという力を持つようになる。

切られたら傷が20年は治らないという力を持つ『黄金丸』は、この話の中で重要なポイントになっている。
晴明は、”小野好古、平貞盛、俵藤太、黄金丸”から、何か気づいたようだが、明らかにしない。

『瘡鬼』
蘆屋道満が”都がひっくり返るようなことがある”と示唆し、加茂保憲も気づいているという。
平貞盛の瘡が、”19年前から出来るようになった”こと、”詳仙”という医師に、見てもらっていること。

『牛車問答』

平貞盛の瘡について、晴明と博雅が話している。
晴明が瘡は、道満の言うとおり、一筋縄ではいかぬものだという
晴明が藤原師輔、源経基の様子を博雅にたずねる
牛車で問答したのが平貞盛の息子の維時だと急に、書かれる。

牛車問答とは、晴明と博雅が話なのか? 晴明と維時の話なのか?
晴明と維時の話のようなのだが、この部分以外に、書かれている部分がないので、唐突に感じる。
維時が晴明と博雅を女をつかって呼びに来る。
”如月”という女が、出てくる。 重要人物の登場だが、こそっと紛れ込ました感じで、ここで登場する必然性は感じなかった。
道満の平貞盛の瘡の治療がかかれるが、道満は途中で投げ出し、晴明に治療を頼めと言い残す。

『五頭龍』
加茂保憲が、晴明の家に現れて、五頭龍に食われそうになった藤原師輔の話が出る。
今までの怪しい話が、ここで20年前の平将門の話につながっていることを示す。
藤原純友の名が、出る。

『鬼新皇』
平将門の乱の話
”興世王”という不思議な人物が出てくる。
鬼新皇とは、平将門のこと。

俵藤太、浄蔵、平貞盛が、平将門に対決していくくだりがある。

『道満暗躍』
晴明が博雅に平貞盛の児肝の疑いを示す。
児肝とは?には、晴明は、答えていない。

晴明と博雅は、源経基の館に行く。
源経基は、夜毎、女に釘を身体に打たれる。
晴明がその呪をとく。
悪夢を食う獏がここで少し書かれるがこれは、前後に話がつながらないため、筆者の遊び心かな?
晴明が経基に、将門と興世王の話を聞く

闇に5人の男が現れ、晴明に経基にかけた呪をとかれたことを話す。
そこへ 道満があらわれ、5人のうちの一人が詳仙であると書かれる。
道満は、あくまで、外観者の立場をとるようだ。

『興世王』
俵藤太と将門の再会
興世王と桔梗の登場。
将門は異形のものに、なってしまっている。

俵藤太は、将門の館で寝込みを襲われるが、桔梗に助けられる。
後の話で、将門と藤太は戦うのだが、そのときの戦い方のフェアな姿勢から、大勢での寝込みを襲う姿勢は、違和感を感じる。

藤太と貞盛が、将門征伐に、出る。
藤原忠文、源経基、藤原忠のぶが、参戦する。

不死身の将門と戦う藤太が、浄蔵の矢で射て勝利を得る。
貞盛は、将門に右額を切られる。後に瘡になる部分かな?

不死身の将門は、黄金丸でばらばらにされても、生きているので、関八州の離れた土地に埋められた。
首は、都に持ってこられたが、首が消失する。

最後の2章まで、解決の付かない話が続き、時制も現在、20年前の話とばらばらなので、
どういう話かと思ったが、黄金丸の20年の効力と将門につながってきて、やっとそういう話なのねって感じです。


堺市の中心で?を叫ぶ

2010年12月5日日曜日

陰陽師 夜光杯ノ巻 夢枕獏 堺市の中心で?を叫ぶ

「月琴姫」

源博雅が眠っていると、真夜中に人の気配が。
よく見ると、そこには若い女性がいた。

服装は平安朝ではなく、唐(中国)風でもなく、
天竺(インド)風で、二十歳くらいの美しい女性だった。

博雅が話しかけるが、女性の唇が動くも声は聞こえない。
そして寂しそうに姿を消す…ということが5日続いていたのだった。

原因は何か、女性が何を伝えたいのかを知りたい博雅は、晴明に事態の解決を求め、晴明は博雅の屋敷を訪ねるのだが…。

博雅に「沙羅」と名を付けられた阮咸が、博雅様でなければ鳴りませぬ、
とばかりに博雅以外の誰が弾いても音を出さなくなる。
そして念願叶って博雅の元へ来ることができ、式神になるという。
いかにも博雅らしいお話。

博雅が、自然で式神を作ってしまう話

「花占の女」
夜毎、橘正忠が買ったばかりの邸にやってきて、菊の花びらをむしってその数を数える白装束の女の謎を清明が暴く

「龍神祭」
博雅がその昔、鬼と自分の笛を交換して手に入れた笛、葉二がなくなってしまい、それを探しに行く

「月突法師」
藤原兼家の邸にやってきて、庭にある松を切らないでほしいと懇願する法師は何者なのか。

「無呪」
都の守りである船岡山に住むこの世で一番古い神・混沌(こんとん)を、博雅の笛が目覚めさせてしまう

「蚓喰法師」
水を飲んでも飲んでも喉が渇く奇病を癒して回る法師の招待を清明が明らかにする

「食客下郎」
清明は博雅を通じて橘磐島に奇妙な依頼をする。
彼の病を治したければ山海の珍味、旨い酒をひと樽、磐島と同じ干支の生まれの牛一頭を用意してもらいたい。果たして病は平癒するのか。その病の原因は。「

「魔鬼物小僧」
寺のお堂に出る、いつまでも終わらず経を読み続ける小僧さんの幽霊の話。
経を読み終えるまでは観音堂から出てはいけない、という和尚の言いつけを守ったがために、
真念という小僧が火事で焼け死んだ。
実は真念が読まされていた巻子(かんす)は、初めと終わりが繋げられ、永遠に読み終わらないものだったのだ。
繋がれていた巻子を清明が切り分けてやると、真念の幽霊は嬉しそうに「終わりましたよ。読み終わりましたよ」
と言い、成仏したのだった。

「浄蔵恋始末」
“からくして思ひ忘るゝ恋しさを、うたて鳴きつる鶯の声”
唯一無二の名僧として知られる浄蔵から、安倍晴明のもとに恋文が届けられた。
40年の歳月を経てもなお、この恋文に秘めた自らの想いに悩まされる大徳を積んだ71才の名僧。
若かりし頃にたった2度だけ契った相手の行方をつかんだというのだ。老いて死期が近づく彼女に会うか、会わまいか。
名僧の迷いに安倍晴明が問いた鶯の存在とは!? 心がじんわりと温まる秀作。


全9編。

題名。夜光杯の巻というが、中身は夜光杯とは無関係
今作は、“楽師”博雅の活躍が目立った。
今回収められた作品のうち源博雅が吹く龍笛・葉二(はふたつ)の音が大きく関わる話が「月琴姫」「龍神祭」「無呪」の3つもある。
勿論博雅が、その際大きな役割を果たす。
それ以外の全ての作品でも、彼の笛は登場する。


堺市の中心で?を叫ぶ

2010年12月4日土曜日

陰陽師―太極ノ巻 第7巻 夢枕獏 堺市の中心で?を叫ぶ

「二百六十二匹の黄金虫」

遍照寺の明徳は眠る前に涅槃経を誦すのが習慣になっていた。
涅槃経を誦していると、ある晩から黄金色にキラキラ光る虫が灯火の周囲に集まるようになった。
黄金虫は朝になると捕らえた虫までもが消えてしまう。
その黄金虫は二百六十二個体、百十六種類いると露子姫は言う。
この不思議な虫の正体は?


「鬼小槌」
平実盛が疱瘡神に出会ってしまったことから、都に猿叫の病が流行り、助けを求められた晴明が解決に乗り出す

「棗(なつめ)坊主」
熊野に出かけたきり戻らなかった恵雲という僧が、五十年後に叡山を訪れたという

「東国より上る人、鬼にあうこと」
前半の、東国からきた人物が鬼に会ったエピソードは、今昔物語集に載っているものです
原本には、橋の下から誰かが「ここにおります」と答えたところまでしか残っておらず、続きは紛失してしまっているそうです。
なので、続きの話が夢枕氏のオリジナルです。

「覚(さとる)」
頭で、博雅がふと思い出して詠ずる「物思へば…」という和歌は、和泉式部が実際に貴船神社で詠んだもので、
「古今著聞集」「沙石集」「無名草子」にも載っています。
もうずいぶんと前ですが、『サトラレ』というドラマがあったと思います。
人に考えていることが漏れ聴こえてしまう人々のことを描いたドラマですね。
覚(さとる)という妖怪は、人が考えていることを読んでしまいます。
考えていることを言い当てられるたびに、その人は少しずつ心を喰われてしまい、
最終的には廃人のように腑抜けてしまうのです。



「針魔童子」
播磨の性空上人が出てきますが、この人は実在の人物です。
本文に紹介されているエピソードは、今昔物語集 巻十二(三十四話)と、古今著聞集 下 巻十一に載っています。
小説本編の、乱暴を働いた童子を性空上人が追い返したところまでが説話として残っており、続きは夢枕氏のオリジナルです。

6篇

基本的にいつも通りの流れは変わりません。
・晴明と博雅が話していて
・博雅が「不思議なものだなあ」などと言いながら景色や聞いた話
・晴明「それも呪なのだ」という感じで博雅の話を呪の話でまとめようとする
・博雅「また呪の話か」と呪の話になるとわからなくなるから抵抗
・そんな話の中で、どこかで怪異が起こっているという話が出てくる
・晴明が実はその怪異について相談を受けていると話す
・今日、怪異を片付けるので博雅も一緒に行こうと言い出す
・「ゆこう」「ゆこう」そういう事になった
・怪異を片付ける
・片付けた後、また二人で話す(芦屋道満や露子姫がいる事もある)

ほとんどこれに当てはまりますが、むしろ最近は当てはまっててほしいぐらいの勢いです。



 「鬼も神も、つまるところ、人との関わりなくしてはこの世にない」
 「なに?」
 「人の心が、神にしろ鬼にしろ、それをこの世に生じさせるのだ」
 「まさか、呪によってなどというつもりではないだろうな」
 「まさかではない。まさにその呪にいよって、神も鬼もこの世にあるのだ」
 「ー」
 「この地上から、全ての人が消え去るならば、神々や鬼もまた、この地上から消え去るのだよ」

印象に残ったやりとり

堺市の賃貸を、堺市の中心で?を叫ぶ

陰陽師 龍笛ノ巻 第5巻 夢枕獏 堺市の中心で?を叫ぶ

「怪蛇」

藤原鴨忠の家に仕えている小菊という女の太ももに妙なできものができる。
日が経つにつれて徐々に大きくなっていき、痛むようになってきた。
しかも通常の治療法ではどうにもならない。
そのうちに鴨忠の屋敷に奇妙な老人がやって来る。
老人の処方によって腫れ物はなくなるのだが、その方法はひどいものだった。

蛟( ミズチ )という水精の物語でした。
そして道満が登場します。
相変わらずグロテスクな技を用いるのが得意でした。
孔雀明王の真言もでてきたのですが、陰陽師では孔雀明王がよく登場しますね。

「首」

青音姫という女性が、為成と景清という男を試す( 弄ぶ? )ために首塚の石を取ってこさせようとする。
そのせいで首塚に封印されていた首が外に出ることになり、青音姫と景清は首にかじり殺されてしまった。
為成だけはなんとかその場を逃げ切ることに成功したのだが、不安で仕方がない。
そんなとき、宮中で為成の死相を見た賀茂保憲が為成に声をかけてしまう。
そのせいで保憲は為成から泣きつかれてしまうことになった。
面倒な仕事を背負い込みたくない保憲は、応急処置だけを施し、晴明の元に話を持って来る。

上に書いたように賀茂保憲が登場します。保憲は猫又をつれていました。
この物語での首のあさましさの描写はなかなか凄かったです。

「むしめづる姫」
平安時代に、むしに興味を示す貴族の姫露子。
眉も抜かず、お歯黒もせず、顔を隠すこともない、それこそ姿は、
なんて素敵にジャパネスクの瑠璃姫のようなお転婆ぶり。
今でいうところの生物学者のようで、植物に詳しく、虫にも詳しい。
その露子姫が、黒い虫を飼いだしたのだという。
その黒い虫は与えた葉をすぐに食べきり、
葉だけではなく、ネズミを食べたり、青大将を食べたりしながら
仔牛から牛程まで大きくなった。

そして、今晩、蛹になって孵る。
そのため、安倍晴明は源博雅と一緒に
露子姫の屋敷に向かうが…。

「呼ぶ声の」

藤原伊成は山で琵琶を弾いた日、家に帰ってから、ほとんど寝たきりとなってしまった。
起きだすときは庭に何者かがやってきているようで、庭に向かってなにやら意味不明のことを話している。
二日で驚くほどやせ衰えたため、家人が心配して、博雅を通して晴明に相談を持ちかけた。

「山込め」という、死後も体から魂が出なくなる法の物語でした。

「飛仙」

仙丹についての物語です。
天足丸という仙丹を使って空を飛ぶ仙人が、あるとき貴族の屋敷に仙丹の入った袋を落としてしまいます。
いろいろあって、天足丸はある娘に飲まれることになりました。
しかし、この天足丸は男用の薬で、女が飲むと大変なことになるのでした。

5編。


堺市の中心で?を叫ぶ

陰陽師 鳳凰ノ巻 第4巻 夢枕獏 堺市の中心で?を叫ぶ

「鳳凰ノ巻」では、蘆屋道満が登場します。

「泰山府君祭」
「蘆屋道満は、言うなれば人の心にたかる蟲のようなものさ」という晴明の道満評が印象的
老齢になった僧侶の中に、女性への未練がくすぶっていた。そこに蘆屋道満が現れて、僧侶の迷いを利用して呪をかける。
それ以来、僧侶は眠ったまま目を覚まさなくなってしまった。

僧侶は帝ともつながりのある人物だったので、帝から晴明に解決してくれという依頼が来る。

この事件では晴明が泰山府君について、「ただの力」と表現する場面があり、陰陽師の世界観が伺えます。

「青鬼の背に乗りたる男の譚」
妻を離縁した男の元に、元妻の様子がおかしいという情報が入る。
男が調べてみると、妻はすでに死んでいた。
しかし、死んでいるにしては、腐りもせず、どうも様子がおかしい。
そして夜になるとその女の恨み言が聞かれるという。男は恐怖して晴明の元にやって来る。


「月見草」
謎かけが施された歌の意味を解き明かしていくという話でした。

「漢神道士」
藤原為輔が寝ていると、夢の中に老人が現れて、為輔の手を引いていく。
行き着いた先には地面から一抱えもある太さの鉄の棒が突き立っていた。
そこで老人は為輔を鉄の棒に押し付ける。
これが3日続いたところで、為輔は博雅を通して晴明に助けを求めた。


「手をひく人」
人柱の話でした。
橋の柱(橋脚)に人を埋めるというのは、本当にやっていたのでしょうか。
さて、物語のほうですが、家というのは一種の結界で、その家に縁のないものは簡単には入れないという記述がありました。
また土剋水という五行相剋の一端が出てきました。

「髑髏譚」
最照寺の忍覚という上人が奇妙な夢を見た。
そこでは多くの僧が、唐人のような者達に捕らえられていて、その僧達が煮えた銅を口から流し込まれている光景をを目にする。
物陰から隠れてそれを見ていた忍覚だったが、思わず声を上げてしまい、唐人から見つかってしまった。
捕らえられた忍覚は他の僧と同じように煮えた銅を飲まされる。
夢から戻った忍覚は、夢の中で僧から助けてくれと頼まれていたのだが、どうすればよいかわからず、晴明に相談する。

「晴明、道満と覆物の中身を占うこと」
晴明と道満ではどちらが優れた陰陽師なのか確かめたくなった貴族達が、術比べをさせようと試みます。

7話

蘆屋道満という法師が、清明の敵とも言えず、仲間とも言えず、ただ同じ心はどこかに持っている間柄として、
ちょくちょく出てきます。
道満とのやり取りもまた、陰陽道を究めたもの同士のさびしい心のうちがあり、興味深いです。


「鬼も神も、つまるところ、人との関わりなくしてはこの世にない」
「なに?」
「人の心が、神にしろ鬼にしろ、それをこの世に生じさせるのだ」
「まさか、呪によってなどというつもりではないだろうな」
「まさかではない。まさにその呪にいよって、神も鬼もこの世にあるのだ」
「ー」
「この地上から、全ての人が消え去るならば、神々や鬼もまた、この地上から消え去るのだよ」

という安倍晴明と源博雅のやり取りが、印象的


”晴明は、白い狩衣をふうわりと身に纏い、柱の一つに背をあずけ、右手に庭を見るようにして座している。
右ひざを立て、その右ひざの上に、杯を持った右手の肱をのせている。
清明の肌の色は、女のように白い。
唇は、紅を塗ったように赤かった。
その唇に、微かな笑みが浮かんでいる。”
と何度か、どの本でも、冒頭の安倍晴明の家での風景なのだが、
このイメージが 映画の『陰陽師』での野村 萬斎のイメージと私には、ぴったりに思える。

堺市の中心で?を叫ぶ

2010年12月3日金曜日

陰陽師 生成り姫 夢枕獏 堺市の中心で?を叫ぶ

付喪神ノ巻に収録されている鉄輪という話を長編化したもので、陰陽師シリーズ初の長編

長編というスペースの余裕のせいか、陰陽師、それから主人公(道満もふくめて)についての詳しい解説がかなりの部分を占めます。
しかし過去の短編でのエピソードについても伏線としてかなり言及されますので、やはり短編を読んでから読むのがお勧めです。
7つに分かれていて、短編作品集と取ることもできないこともない

十二年前、名前も素性も知らず、ただ思いを寄せた姫がいた。博雅の告白が発端になり、晴明たちは事件に巻き込まれてゆく。

謡曲「鉄輪」を知っていればもっと楽しめるかもしれません。
しかしこの長編のエッセンスとフォーマットそして決着は短編と変わりません。
そしていくつかの例外を除いて終わりは悲しいものです。

ただ長編というスタイルは、最後への盛り上がりをより劇的にしています。
このシリーズも最終的なは好みです。
私は、短編集のほうが、テンポもあって好きです。
これに魅惑される人もいれば、これに飽きてしまう人もいるのでしょう。

博雅の切ない恋の話だが、その他にも晴明や博雅のちょっとした話が書かれている。

“生成り”とは、生きながら鬼と化してしまうこと。
タイトルからも話の流れからも早い段階で、この生成り姫が博雅の恋の相手である事は推測できる.
その恋がどう発展するのか?
博雅が彼女との出会いの後どうしたのか?
彼女はどうなったのか?
その過程が哀しくも美しく書かれている。

最後の姫と博雅の会話とやりとりにはとても感じるものがありました。
鬼であっても年をとっても愛してるのに、それは成就せずにただ、その心と言葉だけがすれ違っていく。

堺市の中心で?を叫ぶ

陰陽師 付喪神ノ巻 第3巻 夢枕獏 堺市の中心で?を叫ぶ

『瓜仙人』
帝のつかいを終え、木陰で随身たちとひと休みしていた源博雅は、年老いた翁が瓜をくれとせがんでいるのを眺めていた。
それを断られると、それでは瓜の種でもよいからくれと云う。
翁は種を受けとり、術をつかってそれからみごとな瓜をならせ、みなでそれを食べた。
しかし、いつの間にか翁は消えており、荷にもとからあった瓜もすべて無くなっていた。
翁は博雅が阿倍晴明の屋敷に行くことを確かめており、「檻の竹筒を持ってゆくゆえ……」との伝言を頼んでいた。

『鉄輪』
深夜、貴船神社に向かって歩く女があった。
それは鬼気迫る様相で、唇に釘を一本くわえ、手には人形と鉄の槌を握っていた。
社の入口で、女は行く手を阻まれた。それは貴船神社につかえる男であり、男は女が鬼神になるであろうことを告げた。
すなわち、赤い衣を着て、頭に鉄輪をいただいてその脚に火を灯し、怒る心を持つならば……と。女は笑う。

『這う鬼』
四条堀川のある屋敷に貴子という女が住んでいる。
そこで長宿直をしている男は、つかいからの帰り、奇妙な女から貴子に届けてほしいという文箱を託される。
その晩、用事が予定よりも早く済んだこともあり、自宅で一泊した男だったが、妻が開けてはならぬと
云われていた箱のなかを見てしまう。それに入っていたものは……。

『迷神』
道満絡みのお話
菅原伊通の妻は、夫が死んだことを心に痛め、死者を甦らせることを依頼した。
しかし、夜ごと通ってくる夫に、彼女は恐怖を抱いてしまう。

『ものや思ふと……』
天徳四年の春、内裏歌合わせが盛大にひらかれたとき、最後の歌であった壬生忠見と平兼盛のそれは互角だったが、
帝はそれを平兼盛の勝ちと判じた。忠見はその後、飯が喉を通らなくなって死に、亡霊となり、内裏をさまようようになった。
――歌合わせの会、壬生忠見と平兼盛の歌にまつわる裏話。

百人一首で御馴染み、壬生忠見の
恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか
と、平兼盛が詠んだ
忍ぶれど色にいでにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで
の二首に、こんな因縁があったのは結構有名な話だそうだが、自分はこの話を読んだ時に初めて知った。

『打臥の巫女』
道満絡みのお話
京によくあたると評判の巫女がいた。藤原兼家は巫女を寵愛したが、あるとき占いで、瓜が見えたという。
その後、兼家は瓜を入手する機会があり、それを近づけることも遠ざけることもできずに、巫女のもとに見せに行った。
それを一瞥すると、巫女は阿倍晴明に相談するようにと云う。

『血吸い女房』
都では長く雨が降らず、たとえば藤原師尹が雨乞いの宴をひらいてみたものの、いっこうに雨が降る気配はなかった。
その師尹の屋敷に晴明は呼ばれていた。師尹に仕えている女房たちは、毎晩、何者かに血を吸われているのだという。
寝ずの番をしようと部屋に頑張った男どもも、いつの間にか眠らされていて、女房らは犠牲になってしまっていた。

7作品。

「おまえが、本当は、自分のことを独りだと思ってることがだよ。正直に言えよ晴明。おまえ、本当は、淋しいのだろう。この世に、自分しかいないと思っているのだろう。おれは、おまえのことが、時々、痛々しく見える時があるのだよ」
「そんなことはないさ」
「本当か」
「おまえがいるではないか、博雅」
ぽつりと晴明が言った。
というやり取りが、印象的でした。

「鉄輪」は、長編『生成り姫』としてリライトされる。
短編と長編を、読み比べてみて、小説家はどのように 短編を書くか?又、長編にしていくか?
読み比べるのも、なかなか楽しい。


堺市の中心で?を叫ぶ

陰陽師 飛天ノ巻 第2巻 夢枕獏  連作短編集 堺市の中心で?を叫ぶ

『天邪鬼』

ある森の檜の切り株に夜な夜な童子があらわれ、道をゆく人に問いかけては行く手を阻むという。安倍晴明は博雅に請われて、そのあやかしの出る森へと向かった。

『下衆法師』

ある絵師が見事な外術を披露する青猿法師なるものに心酔し、どうしてもその術を自分も学びたいと思うようになった。
絵師は法師に嘆願し、法師はその師匠に引き合わせることにした。
絵師は、刃物を絶対に身につけてはならぬと言い付ける。

『陀羅尼仙』

尊勝陀羅尼(そんしょうだらに)――仏頂尊勝陀羅尼――仏頂咒(ぶっちょうじゅ)の真言を毎夜唱えている僧・明智が、不思議な夢を見るという相談を博雅→晴明は受けた。

『露と答えて』

藤原兼家が女の元へ行こうとしたが、百鬼夜行に遭って体調を崩し、それ以来、女の元をおとなえないと云う。
知り合である女から頼まれて、博雅は兼家の屋敷を訪れて、その娘から、「白玉かなにぞと人の問ひし時 露と答へて消えなましものを」という例の(^_^)お話を聞かされる。

『鬼小町』

あるさびれた寺の僧が、毎日のように寺に供物を捧げる老婆にさそわれ、桜の大樹の間にある家をおとなったが、姿を変え、女と男の声で話す老婆の異常に気づき、お経を唱えて寺に逃げ帰った。

『桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと』

桃園邸のある部屋の柱の穴から子供の手が出るようになって、そこに矢を差すと手は出なくなったが、かわりに天井から指が落ちるようになったという。
そこで、今度は天井に矢を打ち込むと、蛙が出現するようになった。
矢を部屋の四隅に打つと、蛙の代わりに蛇があらわれるようになった。

『源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと』

堀川橋は老朽化の激しい橋であったが、そこを渡ろうとすると女が出て、ここを通らないでほしいと道をふさがれ、また、橋の取り壊しの期日を延ばしてほしい、と云われるという。
梅津春信という剛の者がそこへ行ったが、女にこの石を持ってほしい頼み事をされた。
春信はうなづき、石を持ったが、それはだんだんと重みを増してゆき、春信がちらりと見ると、それは裸の赤ん坊のようであった。
驚いた春信はそれを捨てて斬りかかったが、翌明け方近く、彼が気を失っているのが発見された。

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堺市の中心で?を叫ぶ

陰陽師   夢枕獏 第一巻 短編集 堺市の中心で?を叫ぶ

'86~'88年、オール読物他に掲載された、安倍清明の主人公の話

「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」
陰陽師の説明、安倍清明のひととなりが、最初に書かれている。
源博雅朝臣が安倍晴明の屋敷を訪ねたのは水無月の初めである。
しばらく都を留守にしていた晴明は高野で坊主と呪について話をしてきたという。
博雅にはわからない。
晴明は呪とは名ではないかというようなことを思いついたといった。
ますますわからない。

晴明が留守にしている間に壬生忠見が死んだ。
歌合わせで負け、やせ衰えて死んだという。
その怨霊が清涼殿に出るそうだ。

その話とは別に、博雅は五日前の晩に帝が大事にしていた琵琶の玄象が盗まれたといった。
だが、一昨日の晩に博雅はその音を聞いたという。聞いた場所は羅生門であった。
晴明は博雅と一緒に羅生門へ行った。
二人と一緒に法師の蝉丸がついていった。
羅生門の上からは異国の言葉が聞こえてきた。
天竺の言葉だと晴明は言う。その者は漢多太と名乗った。
すでにこの世の者ではない。
漢多太は玉草という女官を連れてきたら、玄象を返すという

「梔子の人」
皐月も半ば。源博雅が土御門大路にある安倍晴明の屋敷を訪ねた。
博雅の知り合いの武士に梶原資之というのがいる。
出家して寿水と名乗っている。
それが八日ほど前からあやかしに悩まされている。
女のあやかしだ。
女には口がなかった。
晴明は懐に入れた一枚の紙片を女に見せた。
女の瞳に喜びの色が現われた。紙には「如」と書かれていた。

「黒川主」
文月。鵜匠・賀茂忠輔の孫娘・綾子に妖異があった。
何かに取り憑かれたらしい。

忠輔は綾子の尋常でない光景を目の当たりにしたのだ。
全裸で堀の中で鮎を口でくわえて食べている...。
忠輔の前に黒川主と名乗る男が現われた。
男が帰ると綾子は昨夜のことを覚えていないという。
その中、綾子の腹だけが大きくなっていった。
たまりかねた忠輔は智応という方士に相談をした。
一度は黒川主を捕まえたものの、逃げられてしまう。
そして、安倍晴明のところに話がやってきたのだ。

「蟇」
安倍晴明が源博雅を誘って外出した。蟇だという。
四日ほど前、応天門にあやかしがでた。

魔霊を押さえるための札が破かれ、あやかしがでるようになった。
あやかしは子供だという。
晴明と博雅は陰態という、この世のものならぬ世界にいた。
そこで博雅が見たのは百鬼夜行であった。方違によってやってきたのだ。
ここで、晴明はあることを知りたかったのだ。
そして応天門に向かった。

「鬼のみちゆき」
それを最初に見たのは赤髪の犬麻呂という盗人だ。
牛車に乗った女の鬼だ。
左右には二人の影がある。内裏に行くと言ったそうだ。
もう一人見た者がいた。
藤原成平という公家だ。

牛車の女は七日かけて内裏に参上すると言った。
ということは、明後日には大内裏の朱雀門の前に牛車は来てしまうことになる。
安倍晴明と源博雅は事前にこの牛車を見に行った。
そして、博雅の一言で晴明はあることに思い当たった。
当日、晴明は博雅に帝へある言付けと願いを頼んだ。

「白比丘尼」
安倍晴明が源博雅に人を五、六人は切り殺したことのある太刀を持ってきて欲しいと頼んだ。
雪明かりの中、女は立っていた。

晴明に三十年ぶりだという。
晴明は女に禍蛇という名の鬼を追い払う法を始めると宣言した。
結跏趺坐した女の芦の間から黒い蛇が出てきた。


6編。
安倍清明と源博雅朝臣のかけあいが妙。 7年後に第2巻刊行。

「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」は今昔物語の一編を題材にしたもので、
後に歌舞伎の脚本のベースとなる話。

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堺市の中心で?を叫ぶ

陰陽師 夢枕獏  堺市の中心で?を叫ぶ

『陰陽師』(おんみょうじ)は夢枕獏による小説。

文藝春秋刊。
平安時代の陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた伝奇小説である。

晴明のパートナーとして同時代の貴族で楽人の源博雅が登場する。
1988年に第1作『陰陽師』が刊行されて以降シリーズ作品となっている。

三人称で、かかれ、直接話法になっているので、シナリオに近い。
容易に、情景をうかべることが出来るし、テンポがいいので読みやすい。

赤川次郎の作品と同じような構成で、ページあたりの字数が少なく、白地が多い。

安倍晴明と源博雅の関係は、ホームズとワトスンの関係の変形と見てもいい。

一話完結なので、どの章から読み始めてもいいが、説明、その他情報などを考えると最初の本から、読むことを薦める。


晴明の屋敷の庭のよく見える部屋で、安倍晴明と源博雅が酒を、飲みながら話すところから、始まる話が多い。

晴明の酒を飲むときの独特のポーズや
胡坐をかいて、右ひじを右ひざの上に置き、右腕を立て、その手の中にあごを乗せるというポーズ
などと、晴明のポーズが描かれていて、それが絵になるのです。 

貴公子然として、惚れ惚れするように書かれているが、一方で見える姿と年齢が違うと暗示されていて謎なのだ。


作品リスト

陰陽師  文藝春秋 1988年8月
文庫版  1991年2月

陰陽師 飛天ノ巻 文藝春秋 1995年6月
文庫版  1998年11月

陰陽師 付喪神ノ巻  文藝春秋 1997年11月
文庫版  2000年11月

陰陽師 生成り姫  文藝春秋 2000年4月
文庫版  2003年7月

陰陽師 鳳凰ノ巻  文藝春秋 2000年6月
文庫版  2002年10月

陰陽師 龍笛ノ巻  文藝春秋 2002年1月
文庫版  2005年3月

陰陽師 太極ノ巻  文藝春秋 2003年4月
文庫版  2006年3月

陰陽師 瀧夜叉姫(上)  文藝春秋 2005年9月
文庫版  2008年9月

陰陽師 瀧夜叉姫(下)  文藝春秋 2005年9月
文庫版  2008年9月

陰陽師 夜光杯ノ巻  文藝春秋 2007年6月
文庫版  2009年12月

陰陽師 天鼓ノ巻  文藝春秋 2010年1月

漫画
岡野玲子による作画で1993年から2005年にかけて『コミックバーガー』、『月刊メロディ』で連載された。


 テレビドラマ
稲垣吾郎による主演(晴明役)で2001年4月から6月にかけてNHK『ドラマDモード』枠にて放送された。全10回。


 映画

滝田洋二郎監督、野村萬斎の主演(晴明役)の映画。

2001年に第1作目『陰陽師』、2003年に続編『陰陽師II』が公開された。

本に出てくるイメージが、野村萬斎のイメージに近くて違和感がない。

 舞台

KOtoDAMA企画により2000年に『陰陽師』、2002年に『陰陽師 言霊ノ巻』が上演された。
児玉信夫主演(晴明役)。

OSK日本歌劇団により2001年に『闇の貴公子』、2003年に『新・闇の貴公子』が上演された。
2001年は洋あおい(博雅役)・那月峻(晴明役)主演。2003年は那月峻(晴明役)主演。

堺市の中心で?を叫ぶ

2010年12月2日木曜日

最高最低温度計  すぐれもの 薪ストーブの備品 堺市の中心で?を叫ぶ

U字型最高最低温度計  すぐれものです!!

特長
最高温度と最低温度の差を示すことから、通称「示差」と呼ばれている温度計です。

一本の温度計で一定時間内の最高温度・最低温度及び現在温度を測定することができます。

U字型をしたガラス管内に感温液としてクレオソート液が封入され、虫と呼ばれている指標を動かすために水銀が使用されています。

温度の変化と共に水銀柱が虫を押し上げて最高温度最低温度を示します。

いったん押し上げられた虫はその後の温度変化による水銀柱の動きからとり残されるように製作されております。

したがって最高温度は右目盛、最低温度は左目盛によって虫の下端を読み取ります。又現在温度は水銀柱の頭部にて読み取ることができます。

11月中ごろから、朝晩寒い時には、薪ストーブをつけていました。
下旬には、ずっとつけっぱなしで、暖かい日の昼間は つけていませんでした。

最低温度 17度 最高温度 26度を示しています。

夜に、たくさん薪を入れて、空気を絞った状態で、とろとろ燃やして、朝に一番冷えたときに、熾きしか残っていない状態で、17度までしか下がっていません。

朝起きるとぞくぞくっと寒いということはありません。

私の朝一番の仕事が、薪をくべて、ストーブを巡航運転にすることです。
妻は 後から熾きてくるので、ある程度、部屋がぬくもってから、起きてくるので寒さは感じていないと思います。

 朝、巡航運転にした後、日が照ってきて、暖かくなったとき 26度になったと思います。
こんなときは、空気を絞って 、とろとろ燃やして、夕方冷えるときぐらいまで、放置したりしています。


堺市の中心で?を叫ぶ